Web集合知によるゲリラ雷雨予測、「感測」で9割超捕捉 13年の注目技術3位

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2013/12/2 7:00
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2013年も残り1カ月を切ったが、今年、社会に大きなインパクトをもたらした技術は何か――。IT(情報技術)や医療、建設、電気・機械の分野を対象にした雑誌を発行する日経BP社では、専門記者200人が今年注目された300以上の技術を挙げ、その中から4人の審査員(ノンフィクション作家の山根一眞氏、日経トレンディの渡辺敦美編集長、日経ビジネスの山川龍雄編集長、日経WOMANの佐藤珠希編集長)がベストテンを選出した。今回は、ベストテンで3位となったゲリラ雷雨予測技術を紹介する。専用機器による精密な「観測データ」と、利用者による大量の「感測データ」を組み合わせることによって、発生したゲリラ雷雨の90%以上を事前に捕捉することに成功した。

ゲリラ雷雨の通知サービス「スマートアラーム(ゲリラ雷雨モード)」のアプリ画面

ゲリラ雷雨の通知サービス「スマートアラーム(ゲリラ雷雨モード)」のアプリ画面

この数年、豪雨による被害が大きな社会問題になっている。特に関心を集めているのは、黒い雷雲を伴い、予報もなく突如として降り始める局所的な集中豪雨だ。いわゆる「ゲリラ雷雨」である。

確率高く発生を予測できれば、豪雨到来に身構え、事前の対策で被害軽減につなげられる。だが、予測は技術的にかなり難しい。ゲリラ雷雨は、極めて局所的にピンポイントで生じる気象現象だ。これに対応するには、既存の気象観測網を格段に密でリアルタイム性の高いものにする必要がある。

■ゲリラ雷雨の約90%を事前に捕捉

このゲリラ雷雨の発生を9割以上の確率で事前に捕捉し、危険が迫る地域の利用者に遅くても発生30分前までに通知することを目指すWebサービスがある。気象情報サービス最大手のウェザーニューズ(WNI)が提供する「スマートアラーム(ゲリラ雷雨モード)」だ。

2012年の実績では、同年8月~9月に日本で約2800回発生したゲリラ雷雨の91.1%を事前に捕捉した。平均で発生する56分前に警告メールを流すことに成功している。高確率での捕捉を可能にしたのは、WNIが展開する利用者参加型の気象予報サービスである。インターネットのWebサービスで集めた一般利用者による投稿を積極的に活用する、いわば「Web集合知」による気象予報技術を実現している。

これを実現する基盤は、2013年6月に累計1000万ダウンロードを超えたWNIのスマートフォン(スマホ)用アプリ「ウェザーニュースタッチ」である。利用者は、このアプリで周辺の雲の様子や体感した気象の実況データをコメント付きの写真などの形で投稿する。この情報と気象観測機器による観測データを組み合わせ、同社の気象予報の専門家が解析する仕組みだ。

■観測と感測を組み合わせ

スマホ用のアプリやパソコン用のWebサイトでは、32kmの範囲に分けてゲリラ雷雨発生の危険性をリアルタイムに公開している

スマホ用のアプリやパソコン用のWebサイトでは、32kmの範囲に分けてゲリラ雷雨発生の危険性をリアルタイムに公開している

日常的な実況データのレポーターとして登録する会員は、約500万人に上るという。利用者による気象観測をWNIは「感測」と呼ぶ。同社は、この情報をゲリラ雷雨だけではなく、台風や通常の気象予報にも生かしている。

例えば、気象庁の観測施設「アメダス」は、全国で約1300カ所あるにすぎない。これにWNIの利用者がリアルタイムに報告する情報を加えることで、気象情報を得られる地点と、その情報量は一気に桁が上がる。専用機器による観測に比べて定量的な精密さでは劣るものの、現地の写真や体感情報は気象予報の専門家から見ると宝の山なのだという。

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