じわりと毎秒1ミリ、赤プリ旧館をまるごと動かす
驚異の工事現場シリーズ

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2013/11/27 7:00
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 東京都千代田区にある旧グランドプリンスホテル赤坂の跡地で超高層ビル2棟の新築工事を進める西武プロパティーズ(埼玉県所沢市)は、敷地内で保存する「旧館」の曳き家(ひきや)工事を11月18日に公開した。曳き家とは、建物を解体せずにそのままの状態で移動させること。旧館の移動距離は44mで、施工は大成建設が手掛けている。

北側から見る。旧館は写真手前から奥に向かって動いた。建物が元あった場所には切断した柱などが残る。11月18日に撮影(写真:日経アーキテクチュア、以下同じ)

北側から見る。旧館は写真手前から奥に向かって動いた。建物が元あった場所には切断した柱などが残る。11月18日に撮影(写真:日経アーキテクチュア、以下同じ)

旧館は旧朝鮮王室の邸宅として1930年に完成した鉄筋コンクリート造、地上2階建ての建物。宮内省内匠(たくみ)寮(現在の宮内庁管理部)が設計して、清水組(現在の清水建設)が施工した。

旧館は戦後、西武鉄道の所有となり、55年に客室数31室の赤坂プリンスホテル(通称、赤プリ)として開業した。83年に丹下健三氏の設計で40階建ての「新館」が開業してからは、婚礼施設やレストラン、バーなどとして使われてきた。

写真の左手前に向かって動く旧館。床下では作業員が建物を支える「ころ棒」の盛り替えや微調整などに追われる

写真の左手前に向かって動く旧館。床下では作業員が建物を支える「ころ棒」の盛り替えや微調整などに追われる

南側から見た現場の様子。写真中央が旧館。手前では住宅棟の山留め工事や掘削工事が進む

南側から見た現場の様子。写真中央が旧館。手前では住宅棟の山留め工事や掘削工事が進む


西武プロパティーズは2011年3月にホテルの営業を終了。新館は大成建設・西武建設JV(共同企業体)が「テコレップシステム」と呼ぶ騒音や粉じんを抑える工法を使って、13年7月までに解体した。解体工事中に、ホテルが徐々に低くなっていく様子が話題を呼んだ。

跡地には地下2階、地上36階建てで高さ180mのオフィス・ホテル棟と、地上24階建てで高さ90mの住宅棟を建てる。総事業費は約980億円で、16年夏ごろの開業を目指す。

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