ディスプレー最新トレンドは「コンテンツに合わせて変身」
評論家・日本画質学会副会長 麻倉怜士

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2014/1/28 7:00
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今後のディスプレー技術が目指すべきなのは、「フレキシブル」と「フレームレス(枠なし)」――。2014年1月に米ラスベガスで開催された、世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、テレビメーカー、ディスプレーメーカー各社の試作機が数多く登場し、新たな流れが明確に見えてきた。

今回のCESでは、フレキシブルという用語を、湾曲およびフラットの間で角度を自由に調節できるテレビとして韓国LG Electronics(LG電子)が使っていた。一方、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は「ベンダブル」と呼んでいた。

しかし筆者は、フレキシブルを「形が自在に変わる」という、もっと広い意味として捉えたい。究極的にディスプレーは「自在に、柔軟に、コンテンツに合わせ、もしくはそれと関係なく姿や形を変える」ことを目指している。

■映画には湾曲が合う

その第一歩が、前述した湾曲とフラットの間で曲がりの角度を調整できるテレビだ。LG ElectronicsとSamsung Electronicsが出品したが、曲率半径(曲率円の半径)は無限から4000mm程度だから、あまり曲がるわけではない(図1、図2)。

図1 LG Electronicsが開発した77型のフレキシブル有機ELテレビ

図1 LG Electronicsが開発した77型のフレキシブル有機ELテレビ

図2 Samsung Electronicsが開発した、アスペクト比21:9の105型5K液晶テレビ

図2 Samsung Electronicsが開発した、アスペクト比21:9の105型5K液晶テレビ


しかし、曲がりを調整しながら様々なコンテンツを見てみると、明らかに湾曲に合うコンテンツと合わないコンテンツ、そしてフラットに合うコンテンツがあることが分かる。映画に湾曲は良いが、ニュースでは「余計なお世話」だ。つまり、「コンテンツに合わせてディスプレーが姿を変える」というトレンドが、一つの方向として見えてくる。

次にアスペクト比(画面の横と縦の比)はどうか。現在はハイビジョンの16:9が業界標準だが、会場ではSamsung Electronics、LG Electronics、東芝が21:9の横長5K(フルHDの5倍の解像度)ディスプレーを展示。これは液晶ディスプレー製造で「第8世代」と呼ばれるガラス基板を横方向に二分したサイズだ。

■正方形ディスプレーも登場

図3 LG Displayが開発した、アスペクト比1:1の26.5型(1920×1920画素)正方形ディスプレー

図3 LG Displayが開発した、アスペクト比1:1の26.5型(1920×1920画素)正方形ディスプレー

21:9のメリットは二つある。一つが、「シネマスコープ」(シネスコ)サイズの映画作品をそのままのオリジナルサイズで表示可能なこと。16:9では上下に黒帯が現れるレターボックスとなる。ここから「シアターテレビ」という用途が浮かび上がる。

シネスコサイズのコンテンツをフルフレームで見ると、映画の迫力を存分に堪能できる。16:9のレターボックスでは、黒帯が邪魔に感じられ、そこまでの堪能感はない。

アスペクト比のバリエーションは、映像の新しいアプリケーションを生む。韓国LG Displayは、1:1の26.5型(1920×1920画素)正方形ディスプレーを、CES会場近くにあるホテルのスイートルームで展示した(図3)。業務用だから航空管制、スロットマシン、天気予報などの用途が考えられているが、民生用にも新しい発想のコンテンツを呼び起こしそうだ。

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