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独ボッシュ、自動運転を実演 精度十数cmで位置推定

独ボッシュは、自動運転車の試作車を報道関係者に公開、同社テストコースで実演した。あらかじめ用意したテストコース内の地図情報と、周囲の環境を検知するセンサーの情報を照合しながら、十数cmの高い精度で自車位置を推定して実現する。ドイツのアウトバーン(高速道路)で公道実験も始めている。

自動運転車の外観。屋根に置くのが360度を検知するレーザーレーダー

ボッシュが2013年6月中旬にドイツで開催した報道関係者向けの技術戦略説明会「61st International Automotive Press Briefing 2013」で披露した。独BMWの「3シリーズ」のワゴンを改造した試作車で実演したが、BMWと共同開発したわけではなく、ボッシュが単独で開発した。

1周目は追従走行(写真)で、2週目は単独走行を実演

試作車には、車両の屋根に周囲360度の3次元空間の距離を測る米ベロダイン製のレーザーレーダーとGPSアンテナを置く。これらは他社からの購入品だが、ほかはすべて自社で開発したセンサーを使う。250m程度の長距離を測れる77GHz帯ミリ波レーダーを前後に2個、100~160mの中距離用で同じ帯域のミリ波レーダーを前後左右に6個、さらに単眼カメラとステレオカメラを前に1個ずつ配置した。GPSで大まかな位置を把握したうえで、センサー情報と地図情報を照合しながら十数cmの精度で自車位置を推定する。

実演は、ボッシュの技術者2人が運転席と後席に座り、体験者が助手席や後席に座る形で実施した。インストルメントパネルに設置したモニターにセンサーで検出した障害物や、目的地までの進路を地図上に表示し、車両がどう判断し、どう動くのか体験者に分かるようにしてある。

まずテストコース内の指定の位置までボッシュの技術者が運転。その後、グローブボックスに置いたボタンを押すと、自動運転に切り替わった。そして市街地を簡単に模擬したテストコースを2周。1周目は前方の車両に追従しながら走った。これは「交通量が多い市街地で走れる実力がある」(ボッシュ)ことを示すためである。

2周目は単独で走行した。走る途中には交差点があり、右折するときに交差点を横切る車両をセンサーで検知し、通り過ぎた後に曲がる機能や、赤信号を認識すると停まって青信号で発進する機能、歩行者が飛び出してきたときに自動でブレーキをかける機能などを見せた。

ボッシュは大きく四つの段階を踏んで自動運転技術の開発を進める計画である。まずは2016年ごろの実用化を想定する高速道路の本線に限定した自動運転システム。この段階では運転者が常に監視する必要がある。次に、同じ高速道路の本線を対象とするが、運転者が常に監視する必要がないシステムである。使うセンサーの構成などは大きく変えないが、車両の安全性や信頼性を第1段階より高める。2020年前後の実用化を目指す。その後、インターチェンジや料金所などを含む高速道路全体をカバーするシステムを2020年代前半に実用化する。最後が一般道を含めた自動運転を実現するシステムで、2025年以降になりそうだ。

ボッシュは自動運転車を実用化する上での技術課題として、大きく4点を挙げた。(1)複数のセンサー情報を統合して車両の周囲360度の環境を把握する技術を安くしたうえで精度を高めること、(2)ソフトウエアとハードウエアのセキュリティーを高めること、(3)分単位で更新する機能などを開発して地図データの信頼性を高めること、(4)自動運転に適した信頼性評価手法を確立すること――である。

(日経Automotive Technology 清水直茂)

[Tech-On! 2013年6月20日掲載]

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