地道なソーシャル活用で飛躍 アプリ「LINE」のプロモ戦略 ブロガー 藤代 裕之

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2012/5/24 7:00
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サービス公開から10カ月で世界3000万、国内1300万ユーザーを突破した、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの無料アプリケーション「LINE(ライン)」。スマホのユーザー同士なら無料で通話やメールができるようになる人気アプリだ。

提供するのは、検索サービス「NAVER」やポータルサイト「livedoor」を展開するNHNジャパンである。短期間で多くのユーザーを獲得できた背景には、ソーシャルメディアを活用した地道ともいえるプロモーションがあった。人気タレントの登場やキャンペーン攻勢など、外部からは華やかに見えるプロモ戦略の内側に迫った。

■先着10万人を対象にしたキャンペーンに2万人しか集まらず

NHNジャパンのプロモーション担当、矢嶋聡氏(左)と金子智美氏

NHNジャパンのプロモーション担当、矢嶋聡氏(左)と金子智美氏

LINEの成長スピードは驚異的だ。1000万ユーザーの獲得までにミニブログの「ツイッター」は26カ月、SNS(交流サイト)の「フェイスブック」は28カ月かかっている。それがLINEは6カ月で達成した。

急進するスマホ市場に合わせたタイミングだけでなく、人気タレント「ベッキー」のテレビCM、キャラクターぬいぐるみプレゼントのキャンペーン、スヌーピーやガチャピン&ムックなどのキャラクターを展開したスタンプ機能などでも注目を集めている。だが、スタート時のプロモーションは試行錯誤の連続だったという。

「スピードを重視して公開したので、無料通話もスタンプ機能は、開発はしていましたが公開時はない状態。どうやって広げるのか結構、苦労した記憶がある」。LINEのマーケティングを担当している矢嶋聡氏は打ち明ける。

NHN内では2011年初から新たなサービス開発の検討を行ってきた。海外のアプリ動向から、ゲームやカメラ、コミュニケーションに人気があると分析していた。そこに東日本大震災が起こり、身近な人とのクローズドなコミュニケーションが重視される風潮になった。同社もこの部分に注目し、4月末から開発を始めた。さらにスマホ市場の急激な伸びを見てトップ判断でスピードを重視。11年6月にグループチャットのサービスとしてスタートした。

「使ってもらえれば魅力は分かってくれる」と、認知度の向上にプロモーションチームは知恵を絞った。プレスリリースやメディア取材のほか、学生のイベントにも協賛してクラブでのイベントで学生が作ったCMを流したりした。社内の部署ごとの対抗で、社員がLINEにユーザーを招待する紹介キャンペーンを行うといった取り組みもあった。

たとえば7月13日には、先着10万人を対象にLINEを利用してアンケートに回答したユーザーにアマゾンのサイトで使える500円券をプレゼントする、というキャンペーンを実施した。一気にユーザーを拡大する作戦だったが、2万人ぐらいしか集まらず散々な結果だった。

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