金型いらずで試作コスト10分の1に 3次元プリンターで試作型を作る(1)

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2011/11/25 7:00
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図1は、ある製品の試作品と、それを成形した試作型である。製品は「うるおいジェルソックス」というフットケア用品で、AKAISHI(本社静岡市)が開発したものだ。

図1 3次元プリンタで作製した射出成形用の試作型  上型/下型/中子は全て、ポリフェニルサルフォン(PPSF/PPSU)を材料として使う3次元プリンタで作製したもの。試作品は厚さ2.5mmのエラストマで、製品と同じ厚さと材質である。射出成形時の樹脂温度は200℃以上になる。

図1 3次元プリンタで作製した射出成形用の試作型  上型/下型/中子は全て、ポリフェニルサルフォン(PPSF/PPSU)を材料として使う3次元プリンタで作製したもの。試作品は厚さ2.5mmのエラストマで、製品と同じ厚さと材質である。射出成形時の樹脂温度は200℃以上になる。

ジェルソックスの材質はエラストマ(ゴムのような弾力性を備えた材料)で、厚さは2.5mm。単純な形状のようだが、内面には細かな突起がある。エラストマは射出成形(型の中に高圧で材料を射出して成形する方法)時に200℃以上の高温にする必要がある上、射出速度もかなり速くなる。その分、型には高い耐熱性と強度が求められる。

こうした場合は通常、金属の塊を工作機械で削ってつくる「金型」を用いる。しかし金型は高価で、作製に何日もかかる。型を試作してはジェルソックスの履き心地を確かめて修正し、また型をつくるという試行錯誤には向かない。そこでAKAISHIは今回、いわゆる3次元プリンタ(3次元積層造形、本記事末尾の別掲記事を参照)で試作型をつくるという挑戦に踏み切った。

■高い耐熱性の樹脂型で

AKAISHIがジェルソックスを開発するに当たって、試作型を3次元プリンタで作製したのは、「製品と同じ材質の試作品を手に入れたかった」(同社商品開発セクション機能設計グループ&モデリンググループリーダーの村岡真氏)からである。柔軟性がある製品なので、静的な形状や大きさだけでなく、実際に履こうとした際にどのように変形し、収縮力が発生するかといった使い心地なども評価したい。しかし、3次元プリンタで直接作製できる試作品は、その材質上、硬いものになる。エラストマと同等の物性を実現することはできない。

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