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ブログ、顔写真で好印象に

ブログがビジネスの場にも普及し、顔写真を公開するビジネスパーソンが増えてきた。せっかく多くの人に見てもらうのなら、写りがよいものを選びたい。ビジネスパーソンの顔写真を多数撮影している肖像写真家のタツ・オザワさん(50)の話をもとに、好印象を与える顔写真の撮り方やビジネスツールとしての活用法をまとめた。

(1)活用例に学ぶ 顧客とつながる接点に

佐々木剛さん

オザワさんが撮影した顔写真をビジネスの現場で活用している2人のケースを見てみよう。

プルデンシャル生命保険のシニア・コンサルティング・ライフプランナー、佐々木剛さん(41)は6年ほど前に自身のサイトの顔写真をスナップからオザワさん撮影のものに差し替えた。顧客へのあいさつ状にも顔写真を載せるようにした。

顧客からは必ず1度は顔写真のことを尋ねられる。「プロに撮ってもらったエピソードなどを披露するなかで、顧客との距離が縮まり、自分の仕事への熱意を伝えやすくなる」(佐々木さん)

鳥井貴正さん

インテリアデザイナーの鳥井貴正さん(52)はサイトのほか、名刺に写真を活用している。鳥井さんはデザイナーの仕事以外にインテリア関連資格やビジネススキルをテーマにした講演も手がけている。「顔写真を変えたのを機に、講演依頼が増えた」と話す。

オザワさんは「顔写真には想像以上に影響力がある」と話す。名刺やあいさつ状に顔写真を載せると「写真が顔つなぎとなり、薄れそうになった印象をよい方向に引っ張ってくれる」という。

(2)撮り方のコツ 正面避け少し斜めから

オザワさんが撮影した顔写真はどれも正面を向いていない。顔を正面から撮影すると、目の大きさなど顔の左右のパーツの微妙な違いが目立ち、見る人に不安な気持ちを抱かせるからだ。

オザワさんは頭と体の向きを調整し、顔の左右差を感じさせないように工夫している。代表的な撮影ポジションが「7/8」と「3/4」と呼ぶ2パターンだ。

「7/8」は体の正面から少しだけ斜めにずれた方向から撮影する。被写体となる人はどちらかの肩を前に出し、顔はカメラに向かってほんの少しだけ横を向く。できあがった写真では両耳とも見えている。

「3/4」は「7/8」より体をひねる角度が大きくなる。どちらか片方の肩を前に出し、顔はカメラに向かってやや横を向く。こちらのできあがりは、片耳だけが見えている状態だ。

顔や体の角度には気を配っても「無理に背筋を伸ばして姿勢を正す必要はない」(オザワさん)。パスポートや運転免許証用の証明写真のように姿勢を正すと、硬さが目立ってしまうからだ。

オザワさんは「撮影するときには、相手とじっくり話をして緊張をほぐすようにする。あえて軽く頭を傾けるなど動きをつける場合も多い」と語る。撮られる側も、仕事にかける意気込みなどを語るようにすれば、自然と目に光が宿って表情が生き生きする。

(3)自前で実践も 自分撮りで好角度探る

プロに頼んだ方が質の高い顔写真を撮ってもらえることは分かっていても、「撮影・プリントにかかる料金は1回当たり10万円」(オザワさん)と安くはない。

何とか自前でビジネスでの利用に耐えうる写真を撮る方法はないだろうか。

「まずは携帯電話のカメラの『自分撮り』などで自分の顔を様々な角度から撮影し、恥ずかしがらずに画像をじっくり眺めてみてほしい」とオザワさんは助言する。

多くの人は鏡で見た顔を自分の顔として覚えているが、他人が見ている顔とは左右が反転している。さらに写真として平面の画像にすることで、自分では気づかなかった目鼻などのバランスに目がいくようになる。

そのうえでカメラのセルフタイマー機能を使って自分で撮影したり、同僚や家族に撮影を頼んだりして、正面を避けた「3/4」や「7/8」など、アングルを意識して撮影を重ねる。

撮った写真は自分だけでなく、なるべく周りの人にも見せよう。同僚らに意見を求めつつ「これは」と思えるカットを探してほしい。

ただその際、「自分を誰に、どのようにアピールするか」という点はあらかじめ意識しておく必要がある。せっかく写りがよくても、日常をつづるブログに重々しい雰囲気の写真を載せたり、名刺にくだけすぎた表情の顔写真を組み込んだりすると逆効果だ。

時と所と場合(TPO)に合わせて服を着替えるように、顔写真も使い分けた方がよい。

オザワさんが顔写真を撮影する場合は、依頼者から自分の理想像を聞きだし、「リーダーシップ」「親近感」「誠実さ」といった理想像に関するキーワードを抽出する準備を欠かさない。

顔写真を自前で用意する場合も、相手にどんな印象を伝えたいかという「セルフイメージ」を固めて撮影に臨む必要がある。(川俊成)

 タツ・オザワ氏 大手銀行を34歳で退職して米ブルックス写真大学に留学。肖像学部を首席で卒業し、米スタジオで政治家ら米著名人の肖像写真を数多く撮影。2001年に帰国し、著名人やビジネスパーソンの写真撮影の傍ら、「成功へと導く顔写真」をテーマに講演活動を展開している。

[日経産業新聞2009年9月30日付の記事を再構成しました]

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