「おばあちゃんの原宿」の価値とは  ホンダの「ワイガヤ」(4)

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2012/8/9 7:00
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 ホンダでエアバッグを開発した小林三郎氏(現在は中央大学 大学院 戦略経営研究科 客員教授、元・ホンダ 経営企画部長)が、ホンダ流のアプローチを紹介しつつイノベーションの本質に迫る本連載。今回は4回にわたって解説してきたホンダの「ワイガヤ」についての最終回である。(日経ものづくり編集部)

本連載の前回に、筆者が講演や授業などで「5秒で答えてください」と断ってから必ず聞くこととして、次の3つを挙げた。

(1)あなたの会社(組織)の存在意義は

(2)愛とは何か

(3)あなたの人生の目的は何か

このワイガヤの基本となる3つの質問には共通点がある。「基本的な価値」に対する問い掛けである点だ。筆者は、これまで10社近くでワイガヤのサワリを指導したことがあるが、いつも3つの質問を出発点として価値論をテーマにしてきた。

■何が価値かを常に考える

取っ掛かりである3つの質問に対しては、本連載の前回で説明したようにほとんどの参加者は答えることができない。もちろん、3日3晩のワイガヤを1回やったからといって、価値の本質を究められるものでもない。ただ、出発点にはなる。参加者の感想で印象に残っているのは、「今まで全く使っていなかった脳の部分を使ったような気がする」というものだ。1回使うことを覚えれば、あとは使い続ければよい。

ホンダでエアバッグを開発した小林三郎氏(現在は中央大学 大学院 戦略経営研究科 客員教授、元・ホンダ 経営企画部長)。 (写真:栗原克己)

ホンダでエアバッグを開発した小林三郎氏(現在は中央大学 大学院 戦略経営研究科 客員教授、元・ホンダ 経営企画部長)。 (写真:栗原克己)

こうした価値論は、グループで3日3晩にわたって議論することが望ましいが、皆さん一人ひとりでも取り組める。(1)の会社の存在理由について考えたら、次に皆さんが担当している仕事の目標を考えてみるとよい。何が本質的な目標なのかをとことん考えるのだ。3代目のホンダ社長の久米(是志)さんは、常々こう話していた。「あることをすべきか、すべきでないかを決めるときには、2つのことを考える。『お客様の喜びにつながるか』と『現場の社員の元気につながるか』だ」。これは大きな指針になるだろう。

■話題の場所に出掛ける

もう一つ、価値に対するセンスを磨くのに有効な方法がある。話題になっている場所にとにかく出掛けてみることだ。ワイガヤの指導の際にも、東京・秋葉原のメイド喫茶や新宿の歌舞伎町に出掛けた。話題になるということは、そこに新しい価値が生まれているのである。

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