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CESA鵜之澤会長、ゲーム業界の「輝ける未来」強調

TGS2012

コンピュータエンタテインメント協会(CESA)会長の鵜之澤伸氏

20日開幕した東京ゲームショウ2012(TGS 2012)のイベントステージで、コンピュータエンタテインメント協会(CESA)会長の鵜之澤伸氏が「日本ゲーム産業に今、必要なコト~ゲームビジネス新時代の展望」と題する基調講演を行った。

鵜之澤会長は国内の家庭用ゲームハードウエアおよびソフトウエアの出荷規模とともに、大手ゲームメーカー6社の売り上げ推移を提示。「日本のゲーム業界が緩やかに右肩下がりの傾向にある」といったメディアなどの論調に対し、「決してそんなことはない」と意義を唱えた。

だが、大手ゲームメーカー6社の業績は決して悪くない。市場調査に現れていないデジタル販売の業績が伸びているためだ
ハードウエアやソフトウエアの出荷規模は右肩下がり

ゲーム機やソフトウエアパッケージの出荷が減少傾向にあるのは事実だが、一方でコンテンツやソフトウエアのダウンロード購入などが増加しており、スマートフォンなどが幅広く普及するなかで「ソーシャルというよりも"フリートゥプレイ"が受け入れられている」と鵜之澤会長は話す。

鵜之澤会長は任天堂の「ファイアーエムブレム 覚醒」ニンテンドー3DS)を例に挙げ、ダウンロードコンテンツの規模が大きいことを紹介した。

鵜之澤会長はダウンロード型コンテンツ販売ビジネスやフリーミアムモデルの成功例を挙げた
同左
同左

ニンテンドー3DSは国内ユーザーのネット接続経験率が75%を超えており、80%に近いと鵜之澤会長は語る。「ファイアーエムブレム 覚醒」は発売直後に無料コンテンツを充実させたこともあってダウンロードを促進。有料追加コンテンツの販売数が120万件を超え、売り上げは3億8000万円を超えたという。

フリーミアムモデル(ゲーム自体は無料でダウンロードさせて、アイテムで課金するビジネスモデル)を採用したバンダイナムコゲームスの「ガンダムバトルオペレーション」(PS3)の場合、1日につき1プレー8分、3プレーまで無料でできる(2時間経過するとさらにプレー可能で、1日10回ほどプレーできる)「フリートゥプレイ」だが、それ以上プレーするために「75%のお客様がお金を使ってくれる。非常に驚きだった」という。

セガ「ファンタシースターオンライン2」(PS3、PS VITA、スマートフォンに対応)の場合、「戦いに強くなれる『ゲームの本質』にはあえて課金を入れず、コスチュームや保管倉庫など、『ゲームを深く楽しむ要素』に課金を採用」し、サービス立ち上がりで成功したと鵜之澤会長は語る。

「ゲーム業界は新しいゲームを模索しており、家庭用という切り口だけでは計れなくなってきている。市場規模は『捨てたものではない』どころか伸びている。パッケージでは高すぎることや海賊盤問題で難しかったアジア市場も、ノンパッケージのダウンロードビジネスになることで大きな希望が持てる」と鵜之澤会長は強調した。

日本のゲーム産業は元気

基調講演の後半は、日経エンタテインメント!誌の品田英雄編集委員とのトークセッションとなった。

日経BP社日経エンタテインメント!の品田英雄編集委員と、CESAの鵜之澤伸会長

「海外における日本ゲーム産業のプレゼンス(存在感)が下がっているという声がある」という指摘に対し、鵜之澤会長は「背伸びをして海外で受けるものを作ろうとして失敗した」という自身の体験談を語った。

「自分たちでおもしろいと思えるものを世界に出す方が健全。日本人のものづくりの感性とノウハウは間違いなく世界に通用すると思う」(鵜之澤会長)。

ゲーム業界が巨大化し、なかなか若い人にチャンスが与えられなくなってきたのではないかという指摘に対し、鵜之澤会長は次のように語った。「最初は自分たちがおもしろいと思うものを作ればよかったが、だんだん迷走を重ねて自信がなくなっていったのが、ここ数年のゲーム業界かもしれない。据え置きゲームの開発にお金がかかりすぎていたが、(ソーシャルゲームやフリーミアムモデルなどの登場によって)今は若い人にチャンスがある規模になった。各社にもノウハウがあるので、若い人に任せられるようになってきた」。

鵜之澤会長は「ソーシャルやSNS(交流サイト)の世界は僕らの3倍のスピードで動いている」とバンダイナムコゲームス副社長らしいジョークを交えながら、「(ソーシャルやSNS関連企業と付き合うことで)この1年でゲーム業界は非常なスピードで変わっている」と語った。

「ソーシャルゲームを自社で作れるようになった。ソーシャルで得たノウハウを家庭用ゲーム機に生かす展開も起こると思っている。一度スピードを落としたが、またすごいスピード感でやれるようになるのではないかと思う」(鵜之澤会長)。

(ライター 安蔵靖志、撮影 村田和聡・安蔵靖志)

[日経トレンディネット2012年9月20日付の記事を基に再構成]

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