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キラキラネーム「親の自由」は11%

第144回 編集委員 大石格

漢字を当て字的に用いた風変わりな名前、いわゆるキラキラネームを子どもにつけることをどう思うか。「親の自由だ」と肯定的に受け止める回答は11.7%しかありませんでした。

キラキラネームがなぜ流行するのかについては電子版の「裏読みWAVE」という欄で詳しく解説しています。興味のある方は検索してみてください。

筆者の小林明編集委員は流行の一因として「祖父母や親類が名付けに関与しなくなった」と指摘しています。

「今どきの若い親は……」などと憤っている読者も自分が若い世代と意思疎通できているのかはよく考えてみた方がよいのではないでしょうか。

キラキラネームは「親の自由だ」という読者のコメントをまずみてみましょう。

○奇抜な名前は昔からある(43歳、男性)

○今はキラキラと言われる名前も皆がつけるようになれば普通になる(50歳、男性)

○万葉集も漢字の当て字(65歳、男性)

○同姓同名の人が多い方が不都合なことが多い(36歳、男性)

欧州などには名前の種類に制限を設け、「ジャン」「ピエール」など定番ものしか名付けることができない国があります。それでファーストネームで呼び合うので、「アラン」と呼ぶと10人が振り返る。「同姓同名が多い方が不都合」という回答には一理あります。

珍しい読み方をする名前だと目立ちすぎて、うかつなことはできない感じがあります。これが上手に働いたのが、野球の鈴木一朗選手でした。登録名を「鈴木」から「イチロー」に変更してブレイクしました。

最も多かった回答が「親が自粛」でした。コメントの1つに「キラキラネームをつけるような親は『自粛』って読めるのか」というものがありました。座布団1枚です。

「キラキラネームなどと肯定的な名称を用いず、珍名と断じた方がよい」と設問そのものに批判的な回答もありました。ネットの世界ではDQNネームとも呼ぶそうです。「ドキュン」と読むのだそうですが、その読み方からしてDQNです。

 「子どもがかわいそう」「子どもは親のおもちゃではない」など想定通りの回答が多かったので、少し変わったコメントだけを紹介します。

○キラキラとそうでない子どもの間に将来、「非行」「不就業」などで差があらわれる(57歳、男性)

○成人する時点で名前を変更できるようにする(68歳、男性)

回答者の内訳
回答総数2166人
男性86%
女性14%
20代10%
30代22%
40代29%
50代21%
60代13%
70代4%
80代以上0%

ひところ暴走族は何でも漢字で表記していました。「夜露死苦」で「よろしく」、「仏恥義理」で「ぶっちぎり」などです。その連想からかキラキラネームをつける親は不良だとみている読者が多いこともわかりました。このあたりをきちんと分析した研究はまだないと思います。キラキラ親の職業や所得を調査する社会学者が出てきてもよいかもしれません。

出生届の受理拒否のような公権力介入まで求める読者はどれぐらいいるかと思って選択肢に入れましたが、4人に1人もいるとは思いませんでした。

○名前は社会での識別を目的としたもの(45歳、男性)

○当て字は仮名で表記させるべきだ(44歳、男性)

仮名表記を増やすのは悪くないかもしれません。日本文化研究家のドナルド・キーン氏が昨年、日本に帰化しました。「鬼怒鳴門」と名乗ったと聞いて、これもキラキラの一種ではないかと思っていたのですが、今回調べたら戸籍名は片仮名にしたのだそうです。

キラキラの代表名である「るな」も、無理に「月」と書かずに片仮名で「ルナ」にすれば何の問題もないでしょう。「苺輪舞」(マロン)、玖麗亜(クレア)なども同様です。

読者の何人かが森鴎外が子どもにつけた茉莉(まり)、類(るい)という外国人風の名前を古典的なキラキラと指摘していました。これらはほかに読みようがないので、読みがわからないというキラキラ問題とは別だと思います。

名前の読み間違いでの不便は7割の読者が経験していました。「表彰状に漢字だけで書いてあった」。これは管理職ならば多くの人が同感するでしょう。会社の朝礼などで褒めたたえるはずが立ち往生では困ってしまいます。

「幼稚園で27人の子どものうち、20人がキラキラ」という回答があったので、この先、小学校、中学校から20年後は企業へとこの問題は広がっていくのでしょう。

人名漢字の制限では現状維持が最多でしたが、パソコンで表記できる範囲までは広げてよいという読者も意外に多くいました。その裏返しかもしれませんが、「社会に出ると、判子にもワープロにもない名前は不便」という回答は極めて説得力があります。

安倍内閣の支持率は72.3%でした。前週は70%割れでしたが、すぐに回復しました。相変わらず「野党はダメ」というコメントがたくさんありました。

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