88円の第三のビール
イオン「トップバリュ バーリアル」

イオンは350ml入り缶で88円と、第三のビールでは最安値帯となるPB(自主企画)商品を発売した。原材料の指定など独自に作成した商品仕様書に基づき、韓国の大手ビールメーカーに製造を委託。物流コストを引き下げるなどして、低価格を実現した。
独自に大麦やホップの使用法を研究し、「国産の第三のビールに負けない味わいを引き出した」(同社)。英語の「バーリー(大麦)」と「リアル(本物)」を組み合わせ、商品名とした。
【ベンチマーク商品なし】
韓国のビールメーカーに製造委託した第三のビールでこれだけ安く、広範な販路で常時販売する例は少ないので、絶対評価とした。

【日経産業地域研究所研究員の視点】
韓国企業に製造委託した第三のビールのPB商品は、スーパーのダイエーが販売する「バーゲンブロー ノイヴェルト」、川商フーズ(東京・千代田)の「プライムドラフト」、貿易会社のドウシシャの「麦之助」などがあった。各社は「売れ行きは好調」(川商フーズ)としており、トップブランドのプライムドラフトの年間販売量は250万ケースに達する。
業界関係者によると、イオンの「バーリアル」発売で韓国製品の輸入量は年間800万ケース近くにまで増える見通し。第三のビール市場のほぼ5%を占める。
各社の製造委託先は韓国内でビール2位のOBビール(ソウル)が多い。同社は世界ナンバーワンのビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)の傘下にある。流通各社が安値戦略を競い合う韓国製の第三のビールの背後には、世界の巨大企業の影が落ちているといえなくもない。
■詳細は有料の「日経消費ウオッチャー」オンライン・データベースで
価格 | 350ml缶88円 |
販売目標 | 初年度7200万缶 |
発売 | 6月23日 |
原材料 | 発泡酒(麦芽、ホップ、スターチ、大麦)、スピリッツ |
原産国 | 韓国 |
容器デザイン | 大麦の穂とビールの液色を表した |
販売店舗 | イオングループのスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど全国約3000店 |