2019年1月22日(火)

「算定式を勝手に変更」、日本通信がドコモを訴えた譲れない事情

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2012/4/20 7:00
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焦点の算定式について、NTTドコモの相互接続に関する約款では公表されておらず、日本通信も「NTTドコモとの機密保持契約がある」として公表していない。ただ、日本通信では「もともとの算定式に含まれている項目を改めて+αとして徴収するような、不自然な追加項目がある」(福田専務)と主張している。

日本通信の三田聖二社長

日本通信の三田聖二社長

電気通信事業法では、MVNOの接続料を届け出制としており、その算出に当たっては「適正な原価に適正な利潤を加えたもの」でなければならないとしている。NTTドコモが優越的な地位を乱用して、MVNOに高額な接続料を求めるのを防ぐための規定だが、肝心の「適正な原価」「適正な利潤」は霧の中。しかも毎年大幅に変動するとあっては、今回の訴訟を経ても、適正水準をガラス張りにするには困難が伴う。総務省が仲裁するなどして抜本的な見直しをしなければ、今後もこうした訴訟が続発する可能性がある。

■スマホの主要機能がMVNOでは使えず

MVNOビジネスをめぐる火種は、接続料だけではない。

NTTドコモのMVNOの場合、端末としてMVNO各社が用意するモバイルルーターなどに加え、NTTドコモが販売するスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を利用することができる。しかしNTTドコモのスマホにMVNOのSIMカードを挿した場合、スマホの一部機能が利用できなくなる仕様となっている。

日本通信の福田尚久専務

日本通信の福田尚久専務

利用できなくなっているのは「テザリング」と呼ばれる機能。スマホを無線LANの親機として、パソコンやiPod touch、携帯型ゲーム機などをスマホ経由でインターネットに接続する機能だ。NTTドコモの現行のスマホではこの機能が標準搭載されており、スマホがモバイルルーターの機能を兼ねられるとしてビジネスマンなどに人気の機能だ。この機能が、MVNOのSIMカードを挿したときは正常に機能せず、インターネット接続できなくなっている。

NTTドコモは、消費者が誤った接続先(APN)を利用して多額の通信料を請求されるのを防ぐための措置としているが、「端末は本来、買った消費者のものであるはず。あるSIMカードを挿したら使えて、別のSIMカードでは使えないというのは消費者の利便性を損ねている。消費者が使いたいようにするべきだ」(福田専務)と改善を求めた。

(電子報道部 金子寛人)

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