2019年8月24日(土)

スマホ対応の「指を触れるだけ」の血圧計、日大が開発

2013/11/20付
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日本大学は、スマートフォン(スマホ)との連携が可能な血圧計を開発した。同大学 工学部 次世代工学技術研究センター 教授の尾股定夫氏がかねて開発を進めてきた、指を触れるだけで計測できるカフ(圧迫帯)なしの血圧計に、Bluetooth(ブルートゥース)4.0対応の無線通信機能を搭載したものである。

MEDICAに出展予定のスマホ対応血圧計。「ICMe(アイシーミー)」と名付けたという

MEDICAに出展予定のスマホ対応血圧計。「ICMe(アイシーミー)」と名付けたという

2013年11月20~23日にドイツのデュッセルドルフで開催される世界最大の医療機器展「MEDICA 2013」に出展する。

計測したデータは、Android(アンドロイド)用のサンプルアプリを利用してスマホの画面上にリアルタイムに表示できる。表示項目は、最大血圧と最低血圧(平均値とリアルタイム値の両方)、脈拍数、脈波(波形)である。

■今後は次の研究開発へ

カフなし血圧計自体は、前回のMEDICAでも出展しており、来場者の大きな注目を集めていた。光を利用して測定する原理で、指で反射したLED(発光ダイオード)の光をフォトトランジスターで検出。そこから得た脈波データを基に血圧に変換する、というのが基本的な仕組みである。

その際に、尾股氏が開発した「位相シフト法」と呼ぶ技術を用いているのが大きな特徴だ。同技術の具体的な仕組みについては明らかにしていないが、「位相シフト法を使うとS/N(信号/雑音)が大幅に高まるため、極めて高い精度の脈波を得られる。だからこそ血圧への変換が可能だ」(同氏)と強調する。

今回、MEDICAに出展する開発品は、このカフなし血圧計をベースにBluetooth4.0を搭載してスマホに対応。さらに、大幅な小型化を実現した。これは、位相シフト法によるデータ処理や血圧への変換アルゴリズムなどのコア部分を1チップ化したからだとする。なお、このコア部分のチップ以外のLEDやフォトトランジスター、Bluetooth4.0モジュールなどは汎用品を用いているという。

今回の開発品(左)と前回のMEDICAで展示した試作品(右)

今回の開発品(左)と前回のMEDICAで展示した試作品(右)

分解した様子。左側の部分にはLEDやフォトダイオードを搭載する。右側に見える回路基板上に、位相シフト法の処理などのコア部分を集積したチップが実装されている

分解した様子。左側の部分にはLEDやフォトダイオードを搭載する。右側に見える回路基板上に、位相シフト法の処理などのコア部分を集積したチップが実装されている


尾股氏はパートナーと連携し、このコア部分のチップの販売を2014年5月~6月ごろに始めたい考え。今回のMEDICAへの出展の目的は、チップの販売先となる企業などとのマッチングを図るためだとする。

カフなし血圧計については近く事業化のフェーズに入ることで、尾股氏としては今後、「非侵襲での血糖値測定技術など、次の研究開発に軸足を移していく」(同氏)考えだ。

(日経エレクトロニクス兼デジタルヘルスOnline 小谷卓也)

[Tech-On! 2013年11月19日掲載]

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