知日派シラク氏、サルコジ仏大統領に不快感 「日本を中傷」
著書「回想録」で
フランスのシラク前大統領はこのほど出版した「回想録」第2巻で、サルコジ大統領を「神経質」などと描写、特に自分が愛好する日本の相撲をサルコジ氏が以前こき下ろしたとされることについて「日本を中傷した」と強い不快感を示した。シラク氏は知日派として知られる。
「回想録」第2巻は、1995年の大統領就任から2007年の退任までを600ページ以上にわたりつづった大著。
この中でシラク氏は、内相時代のサルコジ氏が04年に中国を訪問した際に「日本より中国が好き。相撲は知的なスポーツではない」と発言したとされることを取り上げた。シラク氏は当時、沈黙を貫いたが、著書では「相撲を皮肉り、日本を中傷した。私が情熱を傾ける二つを彼が知らないわけはない」と憤りを示した。
また05年、フランスの大都市郊外で若者の暴動が広がった際、サルコジ内相が若者らを「社会のくず」と呼んだことについて「内相の、場をわきまえない発言を是認することはできなかった」と批判。サルコジ氏について「確かに長所もある」と手腕を認めつつも「神経質で、激しい気質。野心むき出しで、自分を疑うことを知らない」と評した。
シラク氏は6月11日、来年の大統領選でサルコジ氏のライバルになるとみられる社会党のオランド前第1書記と同席した際に、冗談めかしながら「(大統領選では)君に投票するよ」と述べたとも伝えられており、このところ後継者であるサルコジ氏への冷淡な姿勢が目立っている。〔パリ共同〕