ゲーム「レッド・デッド・リデンプション」は近年の大収穫
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2010/10/20 7:00
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10月7日に日本版が発売された「レッド・デッド・リデンプション(RDR)」(テイクツー・インタラクティブ・ジャパン)は評判通りの完成度だった。米ロックスター・ゲームズが家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」「Xbox360」向けに欧米圏で今年5月に発売し、9月には690万枚を出荷する大ヒットを記録していた。

20時間あまりでシングルプレーミッションを終えたとき、複雑な感情が心の中に残った。感動でもない、爽快感でもない、やり遂げたという達成感でもない。もっと重たい人生が抱える矛盾、不条理に対する洞察とでもいうべきか。映画や小説とは違う新しい物語メディアとしてのゲームが具現化されていると感じた。

オープンワールド型で新境地

「レッド・デッド・リデンプション(RDR)」の日本語公式サイトの画面

「レッド・デッド・リデンプション(RDR)」の日本語公式サイトの画面

ここ5年あまり、ハードウエア性能が高いPS3やXbox360向けに欧米圏で開発されるゲームは、はっきりした方向性を持って発展してきた。極めてリアルなグラフィックスとサラウンド環境でインタラクティブに働きかけることによって、あたかもハリウッド映画の中に紛れ込んだかのような強烈な没入体験をユーザーに提供するというものである。

大ヒットを続ける3Dシューティングの「コールオブデューティ モダンウォーウェア」シリーズはその代表格といっていいだろう。テーマパークのジェットコースターにでも乗っているようなライド体験を与えてくれる。

しかし、「オープンワールド型」と分類されるスタイルの「グランドセフトオート」シリーズを10年以上開発してきたロックスター・ゲームズは、別の方向性を模索してきた。このタイプのゲームは、広大なフィールドをプレーヤーが自由に動き回り、様々なイベントに出会うことで、物語が進行する。08年に発売した「グランドセフトオートIV(GTA4)」では、ニューヨークをモデルにした都市を再現し、約12平方キロメートルの空間を自由に行き来できるようにした。

ただ、広い空間をテーマにしているために、作り込むデータ量が多く開発費がかかる。追随したゲームは多いが、開発費を回収できず失敗したケースも少なくない。また、都市やジャングルを舞台とするものが多く、新しいテーマはあまり出てこなかった。

RDRは開発に4年を費やして、「西部劇」という新境地を切り開いた。しかし、開発コストは少なく見積もっても8000万ドル以上と見られる。それだけリスクの大きなタイトルでもあった。

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