2030年、「中国の覇権」で機能しない日米同盟

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2012/12/20 7:00
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「米国は国力を構成する幅広い側面で優位性を持ち、また長年世界で主導的地位にあったことから、2030年においても超大国の中で"同輩中の首席"の立場を維持するだろう。その経済力もさることながら、国際政治における米国の支配的地位は、軍事や経済のハードパワー、ソフトパワーの双方において幅広い優位性を維持したがために生じた。だが他国の急激な台頭により、"米国の一極体制"は終わり、1945年に始まった国際政治におけるアメリカ優位の時代"パックス・アメリカーナ"は急速に終焉に向かいつつある」

ここではっきりと指摘しておこう。報告書の言うとおり、米国はこれから20年というわずかな間は、世界の中で"同輩の中の首席"にとどまれるかもしれないが、世界のあらゆる場所でというわけではない。特に最も変化が激しく、成長力の高いアジア地域では、そうならないだろう。この地域の支配的勢力は中国になるはずだ。

米国を含めた域内のあらゆる国に必要とされるのは、この急速に姿を現しつつある新たな現実に対して、自らの国益を最大化する戦略を受け入れ、実行することだ。

現状は維持できる、変わらないという希望的観測にしがみつき、冷戦時代の精神や考え方を復活させようとする試み(ウォール・ストリート・ジャーナル紙までがこのような論調を取っている)は、現実離れしており、非生産的だ。

アジア地域に必要なのは、それぞれの国が国益が何かを改めて検討し、それに即した行動をとることだ。それぞれの国が中国との「当面のつき合い方」を模索し、中国との関係を軸に他国との関係を構築していくことを迫られる。日本も、そして米国も例外ではない。われわれが今後目の当たりにするのは、「パックス・シニカ(中国の覇権)」とも呼ぶべき新たな地域秩序の台頭である。日米安保体制をこの新秩序に当てはめることはできないし、そうはならないだろう。日本と米国の重要な国益に照らしても、その必要性はない。

by Stephen Harner (Contributor)

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