2018年6月24日(日)

ライフネット生命なぜ人気 異端過ぎるネット販促の源流
ブロガー 藤代 裕之

(2/3ページ)
2013/11/22 7:00
保存
共有
印刷
その他

 マーケティング部の関谷誠氏は「大事にしているのは、他社がやらない、やれないこと、やりたがらないこと」という。単に話題になることを狙っただけではない。同社がターゲットとしている20代、30代の顧客が良く知るドラゴンボールを選んで認知を高めた。「セツヤクエスト」のドラゴンクエスト風、なすびさんの起用もターゲット顧客が引っかかるネタとなっている。これらユニーク企画は自社内だけでなく、他社からの提案で実現することもある。

 だが、ユニークな企画を行って認知が高まっても、商品の販売に結びつかなければ意味はない。ライフネットはどのようにして契約に結びつけているのか。

■「面白い」から「加入」への導線

「情報発信を重ねて、潜在顧客と複数回接触しないと、申し込みには至らない」と話すマーケティング担当の中田華寿子常務

「情報発信を重ねて、潜在顧客と複数回接触しないと、申し込みには至らない」と話すマーケティング担当の中田華寿子常務

 生命保険は試し買いのできない大きな商品だ。中田氏は「就職や出産、身近な方が病気になった時など、生命保険には加入するタイミングがある。認知を高めて、生命保険の申し込みに至るまで、情報発信を重ねて複数回接触しないと、申し込んでみようかなということにならない」と指摘する。露出を拡大してもその時に興味がなければ意味がない。難しいのは顧客によって保険勧誘のタイミングがそれぞれ異なるということだ。

 同社が考える加入への導線はこうだ。ユニークな企画やテレビCM、経営陣の書籍などでライフネット生命の存在を知って記憶にとどめてもらい、保険加入が必要になったタイミングで思い出してもらう。その対応のために、地道なSEO(検索エンジン最適化)やオンライン広告で誘導を下支えする。同社のサイトは社名検索でたどり着く人が圧倒的に多いという。

 試行錯誤を繰り返し、さまざまな情報を重ねて消費者に届けるという同社の戦略が生まれた。

■駅周辺でチラシ配布も

 マス広告とソーシャルメディアの取り組みを組み合わせているだけでなく、リアルも展開する。出口会長は10人以上聴衆が集まれば全国どこでもセミナーを実施する。中田氏は最初反対したという。「50人ぐらいいないと効率が悪いかなと。でも、10人と話すと濃いコミュニケーションができて、口コミで広がっていく」ことが分かった。

 街頭でのチラシ配布も行っている。上場時や開業5周年時など何らかの節目の際に、本社の最寄り駅である東京メトロの麹町駅や半蔵門駅で、社員がおそろいのTシャツを着て配布する。若手経営者として知られる岩瀬大輔社長は「会社も自分も、まだまだ知名度は低いのだと思い知った」と自らのチラシ配りの体験を同社発行の情報誌につづっている。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報