過ぎてしまえば、その瞬間はあっけなかった。午後2時40分過ぎ、NHN Japan本社が入居する東京・渋谷の複合ビル「ヒカリエ」の27階。前方スクリーンのカウンターが1億を超えると、集まった社員が一斉にクラッカーを鳴らし、歓喜の声が湧いた。スタッフが次々と挨拶をした後、この日のために2週間前から海外ロケを敢行したというビデオが流れた。
■「こんなチームは、恐らく世界中探してもない」
「LINEしかやらない」「みんなやってる」「(大きな絵文字の)スタンプで感情を表現できるのがいい」「(スタンプキャラクターの)ジェームズが大好き」……。
東京・ソウル・ニューヨーク・バンコク・バルセロナ・台北の各地で見つけた通りすがりのLINEユーザーが次々と登場し、LINEへの思いを語る。いつの間にか日本発のLINEがグローバルサービスとなっていたことを印象づけるビデオだった。
イベントの最後、LINEの事業責任者で育ての親でもある舛田淳執行役員がマイクを握る。
「2011年の年末に社内で『1億ユーザーいきます。いかせます』といった時、恐らく誰もできるとは思っていなかった。全部署が一丸となり、昼夜問わずの頑張りがあってやり遂げることができた。こんなチームは恐らく世界中探してもない。まず自分たちに拍手を!」
そう皆で自らをたたえると、「LINEはこれで終わりではない。まだ進み続けている。世界展開を進め、さらに成長する。その思いを込めて一本締めで終えたいと思います」とまとめた。
■米フェイスブックより約3年も早いペース
LINEがサービスを開始したのは11年6月23日。最初はテキストメッセージのみだったが、同年10月に無料通話機能とスタンプ機能を追加した。これを機に日本のみならず、中東、台湾、東南アジア地域でもユーザーが伸び始めた。