アジア攻略、日本ブランドの訴え強化 エースコック社長
ベトナム足場に輸出拡大

2013/3/20付
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エースコックが新たな成長の足場を求めてベトナムに進出したのは1993年。95年に商品の販売を始め、即席麺市場のトップ企業に上り詰めた。20年間で同国、ひいては東南アジアで勝ち抜くノウハウを蓄積してきたが、経済成長に伴って現地の需要も変化しつつある。今後のアジア戦略の方向性などについて村岡寛社長に聞いた。

村岡寛エースコック社長

村岡寛エースコック社長

――ベトナムを足場に東南アジア域内での事業を拡大している。そもそもベトナムで成功した理由は。

「現地のメーカーや市場にないものを持ち込んだことだ。1つは品質管理の技術。現地メーカーの製品は保存性が不十分で品質も不安定だった。2つ目は販路構築。社会主義国のメーカーは自ら売りに行く意識が薄い。その中で商売感覚を持つ人と代理店契約を結び、市場の大半を占める小規模店の店頭をエースコック商品で占め、他社が入り込めない状況にした」

「3つ目はブランド。ベトナム人はブランド志向が強いが、即席麺には有力なものがなかった。そこで『ハオハオ』ブランドを前面に打ち出して認知度を上げた」

――現地のトップ人事も重要だ。

「成長の段階ごとに社長を変えてきた。丸紅出身の初代は役所との交渉などをこなし会社を立ち上げた。2代目は財務系で黒字化にメドをつけ、3代目はマーケティング担当でブランド育成・販路拡大に道をつけた。4代目は生産から販売まで把握し成長軌道を盤石にし、5代目の梶原潤一社長は近代化が課題だ」

――最近は現地メーカーの品質が向上し、エースコックのシェアも伸び悩んでいる。

「即席麺だけで50~100品が並ぶ大型スーパーの増加など市場環境も変わった。今は日本から営業の専門家を派遣して、きめ細かく売り場に商品を並べるよう指導している」

「現在はハオハオが売上高の5割強を占めるが、新ブランドの育成も必要だ。高品質の分野ではスープや具材を充実した袋麺、ノンフライ麺やカップ麺の投入に加え、米原料の麺を強化したい。低所得者向けの安い商品は量を少なめにするなどして現地メーカーと同程度の価格にする」

――ベトナム特有の難しさは。

「現地メーカーは付加価値税を払わず極端に安い価格をつけたりする。役所に摘発してもらうが、いたちごっこだ。業界イメージを損ねる広告宣伝にも手を焼いている。一部の現地メーカーは『ウチの製品は新しい油を使うので麺が白い』という広告を打ってくる。下味をつけて黄色くしたハオハオの麺が、まるで古い油を使っているような印象を与える内容だ」

――周辺国への販売も増えてきている。

「いずれインドシナ半島全体に商圏を広げたい。すでにカンボジアとラオスでは一定の市場シェアを握っている。ミャンマーは一昨年の春にテスト販売を始めたが、まだこれからの市場だろう」

「ベトナムからの輸出は年間3億食近くで、同国内向けの約1割に育った。将来は周辺国に工場を作り現地生産も考えるが、指導者の育成が先。カンボジアは有望だ。ただ原料調達などを考えるとまだ現実的ではない」

「ベトナムからの輸出品には今後、日本のブランドであることを明示する。ロゴもエースコックインターナショナルなどに変えるつもりだ」

(聞き手は小国由美子)

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