ソフトバンク4Gのネットワーク詳細、運営会社が公表

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2012/1/19 6:30
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なお、ソフトバンクグループでは旧ウィルコムのPHSアンテナを一部撤去してソフトバンクモバイルの3Gアンテナに転用しており、これに伴いPHSのアンテナは2万~3万局減少しているとみられる。これについては「PHSのアンテナは撤去したものの、基地局用スペースそのものを撤収したところはほとんどなく、3G・AXGP共用の基地局用スペースとして活用可能」(近CTO)と説明した。

アンテナの形状が3G(左)よりシンプルなAXGP(右)は、将来のアンテナ増設も容易だとする

アンテナの形状が3G(左)よりシンプルなAXGP(右)は、将来のアンテナ増設も容易だとする

説明会場では、PHSとAXGPの共用アンテナを展示していた

説明会場では、PHSとAXGPの共用アンテナを展示していた


■アンテナを30~50カ所ごとに集中管理し、干渉低減やコスト削減を図る

また、AXGPのネットワーク構築に当たって、通常は個々の基地局ごとに1基設置する無線制御装置(BBU)を、アンテナ30~50カ所ごとに1カ所に集約して管理する構成を採ることを明らかにした。NTT東西の電話局(加入者交換局:GC)当たり1カ所にまとめ、代わりにBBUと各アンテナの間はNTT東西の光ファイバー(ダークファイバー)を借り受け接続する。

「30~50カ所のアンテナを協調制御することでアンテナ同士の干渉を大幅に低減でき、干渉による速度低下や圏外を減らして安定した良好なネットワークにしやすくなる。また、アンテナの設置場所にBBUを置かずに済むためアンテナの設置スペースや電源確保、設置する機器の重さといった課題が少なくなる、BBUを2重化して障害に強くできるなど利点が大きい。基地局の設置コストは1/3~1/5になるのではないか」(近CTO)として、通信帯域と信頼性を確保しつつコストを下げられるとアピールした。

なお、同社ではこうしたBBUの集中管理方式を「クラウド基地局」と呼んでおり、全国規模でこうした仕組みを導入するのは世界初だとしている。「既に当社が展開済みのネットワークのうち、データセンターに電源やスペースがないなどの理由でやむを得ず分散になっている場所を除き、95%はクラウド基地局になっている」(近CTO)。

各基地局のアンテナを制御する無線装置(RRH)。通常はアンテナのすぐ近くに置くが、WCPのAXGPサービスではアンテナ30~50カ所分のRRHを集約する。写真の機器は中国ZTE製で、ほかに中国ファーウェイ・テクノロジーズ製のRRHも展示していた

各基地局のアンテナを制御する無線装置(RRH)。通常はアンテナのすぐ近くに置くが、WCPのAXGPサービスではアンテナ30~50カ所分のRRHを集約する。写真の機器は中国ZTE製で、ほかに中国ファーウェイ・テクノロジーズ製のRRHも展示していた

30~50カ所のアンテナを制御する無線制御装置(BBU)を1カ所にまとめ集中管理する。アンテナとBBUの間はNTT東西の光ファイバーを借り受ける

30~50カ所のアンテナを制御する無線制御装置(BBU)を1カ所にまとめ集中管理する。アンテナとBBUの間はNTT東西の光ファイバーを借り受ける


BBUを集中管理することで、アンテナ同士の干渉を大幅に減らせるとする。左図では通信速度の低い青い地点が散見されるが、BBUを集中管理した状態の右図では干渉による速度低下がほとんど見られない

BBUを集中管理することで、アンテナ同士の干渉を大幅に減らせるとする。左図では通信速度の低い青い地点が散見されるが、BBUを集中管理した状態の右図では干渉による速度低下がほとんど見られない

Wireless City Planning(WCP) 執行役員 CTOの近義起氏

Wireless City Planning(WCP) 執行役員 CTOの近義起氏


■SoftBank 4G以外のMVNOは「ネットワークが広がってから」

WCPは既に、自社のAXGPネットワークを利用するMVNOを広く公募している。しかし当面は、グループ会社であるソフトバンクモバイルのSoftBank 4Gが唯一のMVNOとなりそうだ。ソフトバンクモバイル以外の事業者とのMVNO契約については、「具体的にいつ、何社がといったことは申し上げられないが、鋭意いろいろな方と交渉している。ネットワークがある程度広がらないと魅力的にならないので、時間がかかるかもしれない」(近CTO)との見解を示した。

(日経パソコン 金子寛人)

[PC Online 2012年1月18日掲載]

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