ソフトバンク4Gのネットワーク詳細、運営会社が公表

(1/4ページ)
2012/1/19 6:30
保存
共有
印刷
その他

ソフトバンク傘下の通信事業者であるWireless City Planning(WCP)は2012年1月18日、同社が運営するTD-LTE(AXGP)方式の移動体通信サービスに関する報道関係者向けの説明会を開催した。WCPのAXGPサービスについては、ソフトバンクモバイルがMVNO(仮想移動体通信事業者)としてWCPから設備を借り受け、「SoftBank 4G」のサービス名で2012年2月に商用サービスを開始する予定。

WCPは、旧ウィルコムの次世代PHSサービス「XGP」部門を分社化して引き継いだ通信事業者。ウィルコム時代の2009年10月から、一般ユーザー400人を対象として東京近郊でXGPの商用サービスを実施しているが、これを2012年1月末で終了し、新たにAXGP(Advanced XGP)方式の通信サービスを2011年11月1日に始めている。AXGPについては、以前からソフトバンクモバイル 代表取締役社長の孫正義氏が「中国やインドなどで実用化が検討されているTD-LTE方式と100%の互換性を確保している」と表明している。

WCP自身は一般ユーザーへのサービス提供を行っておらず、現時点では事実上試験サービスの状態にとどまっている。AXGP方式のサービスを一般ユーザーが実際に使えるようになるのは、ソフトバンクモバイルがMVNOとしてAXGPのネットワークを使い、「SoftBank 4G」の商用サービスを提供する2012年2月以降の見込み。

SoftBank 4Gの商用サービスが始まる2012年は「4G元年」であるとする

SoftBank 4Gの商用サービスが始まる2012年は「4G元年」であるとする

■「FDDは電波の利用効率が悪い」と批判

説明会に登壇した同社執行役員CTOの近義起氏は、PHSやXGP、AXGP、TD-LTEなどが採用する時分割複信(TDD)と、W-CDMAやCDMA2000、LTEなどが採用する周波数分割複信(FDD)とを比較した技術解説を行った。「音声通話を主な用途として開発されたFDDは、上りと下りのそれぞれで同じ幅の帯域を確保する必要がある。しかし大半のユーザーは下りのトラフィック(データ量)が圧倒的に多く、上りの帯域が有効活用されていない。また、上り帯域と下り帯域の間には干渉防止用のガードバンドを設けなければならず、そのガードバンドだけで帯域の20~30%を無駄遣いしている」と語り、FDDを基にした通信方式は、データ通信用としては効率が悪いと批判した。

近CTOはさらに、「TDDは上り・下り共通の周波数帯を使い、時間ごとに上り/下りを切り替える。下りに割り当てる時間を長めに、上り用の時間を短めに設定すればよく、その間のガードタイムも通信時間の10%以下にとどめられ、電波の利用効率が高い」と語り、TDDの利点を強調した。

また、中国移動通信、英ボーダフォン、インドのバーティ・エアテルとソフトバンクがTD-LTEの商用化を準備していることに触れ、「各社の現行ユーザー数を合算すると10億人を超える」として、世界的にも主要な通信規格となり、基地局や端末のコスト低減が期待できるとしている。

W-CDMAやCDMA2000、LTEなどが採用する周波数分割複信(FDD)は、上りの帯域が有効活用されず、上りと下りの間に設けられるガードバンドも無駄になっているとした

W-CDMAやCDMA2000、LTEなどが採用する周波数分割複信(FDD)は、上りの帯域が有効活用されず、上りと下りの間に設けられるガードバンドも無駄になっているとした

TD-LTEサービスを計画している中国移動通信や英ボーダフォン、インドのバーティ・エアテルにおける現行サービスのユーザーは10億人を超えており、TD-LTEも多くのユーザーの利用が見込めるとする

TD-LTEサービスを計画している中国移動通信や英ボーダフォン、インドのバーティ・エアテルにおける現行サービスのユーザーは10億人を超えており、TD-LTEも多くのユーザーの利用が見込めるとする


  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]