2019年1月24日(木)

風力・太陽光、全量買い取りで大量導入へ 先行スペインの悩みに学ぶ

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2012/5/21 7:00
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スペイン政府は、あわてて買い取り価格を下げるなど、投資ブームの沈静化に追われた。この予想を上回る太陽光発電システムの設置によって、電力を高額で買い取らなければならない配電会社は大幅な赤字に陥った。その債務額は206億ユーロ(約2兆1000億円)。スペイン政府が一時的に肩代わりしているが、今でもスペインにとっては大きな痛手だ。

■2008年を境に温暖化ガスの排出量削減

そもそも再生可能エネルギーの導入には二つの目的があった。一つは、温暖化ガスの排出量の削減である。2005年に1990年比で約1.7倍にまで膨らんだ温暖化ガスの排出量は、再生可能エネルギーの導入が進んだ2008年に減少に転じ、2010年には2000年レベルにまで下がった(図3)。下げ幅の目標には及んでいないものの、当面の目的は達成された。

図3 スペインの温暖化ガス排出量の推移  縦軸は、二酸化炭素排出量をMt(メガトン=百万トン)単位で表記したもの。緑の線は京都議定書の目標値、青い線はスペインが国として掲げている目標値を示す。(出所:MARM、MITyC)

図3 スペインの温暖化ガス排出量の推移  縦軸は、二酸化炭素排出量をMt(メガトン=百万トン)単位で表記したもの。緑の線は京都議定書の目標値、青い線はスペインが国として掲げている目標値を示す。(出所:MARM、MITyC)

もう一つの目的は、エネルギーの国外依存度を下げることである。スペインは石油と天然ガスの99%以上を輸入に頼っており、大きなリスクを抱えている。これを少しでも軽減したいところだが、実際にはエネルギーの国外依存度は1990年の約64%から2005年には80%近くにまで上がってしまっていた(図4)。しかし、再生可能エネルギーの導入が進んだ2008年に減少に転じ、2010年には75%を下回る水準になった。まだ目的達成と言えるレベルではないものの、確実にリスク低減を進めつつある。

図4 スペインのエネルギー海外依存度の推移(出所:SEE)

図4 スペインのエネルギー海外依存度の推移(出所:SEE)

■問題は山積みだが…

紆余(うよ)曲折はあったが、目的達成に向かって再生可能エネルギーの導入を進めるスペイン。しかし再生可能エネルギーの導入が増えたことで、解決しなければならない新たな問題が生じている。系統を安定させることである。

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