風力・太陽光、全量買い取りで大量導入へ 先行スペインの悩みに学ぶ

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2012/5/21 7:00
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2012年7月に再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度(以下、全量買取制度)が日本でも始まる。これにより近い将来、風力や太陽光など発電量が不安定な電力が商用電力の送電系統(以下、系統)に大量に入り込むことになる。

図1 スペインの電源別発電量構成比  2011年の値。図中の数字は%。(出所:スペインKPMG社)

図1 スペインの電源別発電量構成比  2011年の値。図中の数字は%。(出所:スペインKPMG社)

実はこうした状況を日本よりも先んじて経験している国がある。スペインだ。2012年5月9日、東京都内のホテルでスペイン大使館主催の「再生可能エネルギーフォーラム」が開催され、再生可能エネルギーの導入が進むスペインの状況が明らかにされた(図1)。「スペインは既に電力の約32%を再生可能エネルギーで発電している。その中で最も多いのは風力、続いて水力、最後に太陽エネルギーである」(スペインKPMG社 パートナー Antonio Hernandez氏)。一方、日本の再生可能エネルギー比率は10%程度であり、そのほとんどが水力発電である。水力は比較的安定した電源であるため系統への影響は少ない。

■FIT制度で2兆円の赤字

「スペインの風力発電システムの設置容量は2010年に20GW(ギガワット)に達した。これは欧州で2番目、世界でも4番目の規模である。2012年末には23GWに増える見通しである。太陽光発電システムの設置容量は2010年末に4GWになり、欧州で2位、世界で3位の規模を誇る。太陽熱発電は2010年に1GWに達して世界トップ」(同氏)。

このように再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいるスペインだが、これまでの道のりが順風満帆であったわけではない。

スペインは2007年に長期間にわたる高額な買い取り価格を設定したフィードインタリフ(FIT)制度を太陽光発電で導入した。その結果、2008年の太陽光発電システムの設置量は一気に2700MW(メガワット)に増えた(図2)。当初の目標だった371MWを1200MWに変更したが、結果的には変更後のさらに倍以上が設置されたことになる。

図2 スペインの太陽光発電システムの設置容量の推移(出所:EPIA=欧州太陽光発電協会)

図2 スペインの太陽光発電システムの設置容量の推移(出所:EPIA=欧州太陽光発電協会)

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