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建設業の年間倒産件数が2割減 22年ぶり

民間信用調査会社の東京商工リサーチが2014年1月14日に発表した2013年の全国企業倒産状況で、建設業の年間倒産件数が前年より19.3%減って2421件となったことが明らかになった。3000件を下回ったのは1991年以来、22年ぶり。倒産件数が急増する要因は当面ないと同社ではみている。

年間の建設業の倒産件数と負債総額の推移(資料:東京商工リサーチ)

一方、負債総額は合計で8072億4400万円と前年比100.2%増。5061億円の負債を抱えて倒産したカブトデコムの影響が大きかった。

鉄骨・鉄筋や大工工事で倒産が大幅減

建設業の倒産件数が前年を下回るのは5年連続。月別では、12年3月から22カ月連続で前年同月を下回っている。倒産した2421件のうち、中小企業金融円滑化法に基づく貸し付け条件の変更利用後の倒産は年間の合計で93件、東日本大震災に関連した倒産は35件だった。

東京商工リサーチによれば、中小企業金融円滑化法が13年3月末に終了した後も、金融支援が実質的に維持されたことが一因。東日本大震災の復興工事が本格化したことや、前金払い制度のある公共事業が全国的に拡大したことも影響して倒産件数が減少した。

小分類の業種別で見た2013年の建設業の倒産件数と負債総額(資料:東京商工リサーチ)

建設業の倒産を中分類で見ると、最も件数が多かったのは「総合工事業」の1157件(前年比16.8%減)。「職別工事業」が742件(同26.8%減)、「設備工事業」が522件(同12.4%減)となっている。小分類では「土木工事業」が529件で最多。これに、342件の「建築工事業」と253件の「管工事」が続いた。

一方、前年と比べた倒産件数の増減率を小分類の業種別でみると、「その他の設備工事業」を除き、全ての業種で前年より減少した。特に「鉄骨・鉄筋工事業」と型枠工を含む「大工工事業」の減少率は突出しており、前者が全業種の平均19.3%減を31.1ポイント上回る前年比50.4%減、後者は21.1ポイント上回る40.4%減だった。両業種の需要の高さがうかがえる。

地区別では、全9地区で倒産件数が前年を下回った。倒産件数の減少率が最も高かったのは「中国」で36.9%減。これに、33.8%減の「九州」と33.3%減の「北陸」が続いた。

原因別では「受注不振」が最も多く、全体の62.8%を占めた。ただし、受注不振を原因とする倒産件数は前年を25.5%下回っており、1521件にとどまった。一方、「累積赤字」を原因とする倒産件数は511件と前年を1.1%上回った。従業員数別で5人未満の建設会社の倒産が1554件と建設業全体の64.1%を占めていることなどから、東京商工リサーチは業績の改善が進まなかった中小企業が厳しい状況に陥った結果だと分析する。

今後について同社は、復興工事の本格化に加えて景気対策による公共事業の増加があり、当面は倒産が急増する要因は見当たらないとしている。ただし、人手不足と労務賃金の高騰を、中小企業の経営の重荷になっているとして、懸念材料に挙げている。

[ケンプラッツ 2014年1月17日掲載]

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