スマホが引っ張る電子書籍 SNSにアマ作家市場も
ジャーナリスト 新 清士

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2013/7/18 7:00
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電子書籍市場の先行きにとって明るいデータがある。インプレスビジネスメディアが先月27日発表した電子書籍の市場規模は12年度の729億円に対し、13年度は930億円。16年度はさらに2040億円まで拡大し、電子書籍の存在感が大幅に増すと予想している。電子書籍の専用端末以外にスマホやタブレットの電子書籍関連アプリなどで電子書籍を読む人が増え、コンテンツも順調に拡大すると見込まれているためだ。

アンドロイド端末向けのLINEマンガのウェブページ

アンドロイド端末向けのLINEマンガのウェブページ

実際、SNS向けの電子書籍プラットフォームの台頭が目立つ。その一つが、無料通話・チャットアプリを手がけるLINE(東京・渋谷区)が提供するサービスだ。同社は4月からスマホやタブレット向けのアプリとして「LINEマンガ」をリリース。「ワンピース」(集英社)などの人気漫画3万タイトルを用意し、ネットでの販売を開始した。

このアプリは6月18日に200万ダウンロードを達成。調査会社アップアニーによると、iPhone(アイフォーン)版はリリース開始の4月以来、書籍部門セールスランキングでほぼ1位の状態が続いている。アプリ全体のセールスランキングでも30~40位台と好調だ。数多くのユーザーを抱えるSNSの優位性を十分に生かして売り上げを伸ばしている。

■作家が自由に投稿、ユーザーは無料で楽しむ

スマホやタブレットで電子書籍を読むユーザーの増加に伴い、専用端末は苦戦が続いている。MM総研によると、12年度の電子書籍専用端末の販売台数は47万台。13年度も52万台と1割程度の伸びに留まるという。

ニコニコ静画のトップページ

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キンドルやリディオのほか、楽天の「コボ(kobo)」、ソニーの「リーダー(Reader)」など様々な電子書籍端末が登場しているものの、普及が加速しているとはいえない。スマホやタブレットが爆発的な勢いで広がってきた日本では、電子書籍に関して専用端末は主役にならない可能性が大きいようだ。

スマホやタブレットで電子書籍を読むスタイルが広がり、SNS上にアマチュア作家たちがけん引する新しい電子書籍市場が生まれる前兆もみえる。ドワンゴが提供する「ニコニコ静画」、イラスト投稿サイトのピクシブ(東京・渋谷区)が運営するSNSピクシブの「漫画」「小説」の投稿コーナーなどがそうだ。

これらのサービスはアマチュア作家が独自に作成したコンテンツを自由に投稿する形式で、他のユーザーはそれらのコンテンツを基本的に無料で見ることができる。

09年に開始してサービスのアップデートを続けているニコニコ静画の登録漫画数は3730。出版社と組んでキャンペーンを展開するケースも目立つ。現在最も人気のある、たにたけし氏の1コマ漫画「一行で笑ったら寝ろ」の累計アクセス数は1010万回を超えたほどだ。

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