2019年8月20日(火)

スマホが引っ張る電子書籍 SNSにアマ作家市場も
ジャーナリスト 新 清士

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2013/7/18 7:00
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 デジタル時代の読書スタイルとして普及が見込まれている電子書籍。作品の有名・無名を問わず、コンテンツは着実に増える一方、専用端末の市場は伸び悩んでいる。日本ではスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)が電子書籍市場の形成に大きな役割を果たしそうな雲行きだ。ソーシャルネットワークサービス(=交流サイト、SNS)を中心に、自分で電子書籍を作製・販売するセルフ出版(自己出版)という新しい手法の可能性もみえてきた。

■タイトル数は着実に増えているが…

東京国際ブックフェアに出展したブックライブのブース(国際電子出版エキスポは同じ会場で開催)

東京国際ブックフェアに出展したブックライブのブース(国際電子出版エキスポは同じ会場で開催)

出版科学研究所によると、2012年の書籍・雑誌の推定販売金額は前年比3.6%減の1兆7398億円で、8年連続の前年割れになった。このうち書籍は2.3%減の8013億円、雑誌は4.7%減の9385億円と、紙の出版物の市場は縮小が止まらない状況にある。

その背景として、インターネットで読める無料コンテンツの増加による消費者の書籍離れが大きいとされる。これに対し、電子書籍のタイトル数は着実に増えており、読書環境は整ってきている。

専用端末でシェアトップとみられる米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」向けの電子書籍は約12万タイトルを超え、品ぞろえも充実してきた。三省堂書店(東京・千代田)と提携したブックライブ(東京・台東)の「リディオ(Lideo)」向けも約9万7000タイトルに及ぶ。

7月3~5日に東京ビックサイト(東京・江東)で開催された「国際電子出版エキスポ」で、ブックライブの淡野正社長と三省堂の亀井崇雄専務によるパネルディスカッションが行われた。その中で両氏は、提携から1年半余りの間に電子書籍の普及に向けて両社が手掛けてきた様々な取り組みについて語っていた。

ブックライブの淡野正社長(左)と三省堂書店の亀井崇雄専務

ブックライブの淡野正社長(左)と三省堂書店の亀井崇雄専務

三省堂の神保町本店では、電子書籍端末のリディオを目立つところに配置。関心をもった来店者にリディオの機能や使い方などを説明し、購入を促している。書籍コーナーでは、電子書籍でも購入できる書籍については帯などに表記し、来店者に紙か電子かの選択肢を提供している。店舗に在庫があるかどうかを検索する端末には、紙の書籍の在庫がない場合、電子書籍に対応しているかどうか調べられる機能を備えている。

電子書籍を紙で読みたいという読者のために、その場で書籍の電子データを10分ほどで印刷して製本できるプリント・オン・デマンドの専用機材も設置している。ただ、始めてはみたものの「売り上げはなかなか伸びてこない」(亀井専務)と、一般書店にとって逆風になりかねない電子書籍ビジネスの難しさにも触れていた。

一方、淡野氏は、リディオは通信費用が無料で、購入すると書籍がすぐにダウンロードされ、使い方も簡単になるように工夫されており、8480円という価格は「ハードとして安い」と胸を張った。

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