2019年9月18日(水)

「若手社員は神じゃない」 直木賞作家 朝井リョウ氏が語る就活

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2013/1/18 7:00
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「就活中って、雑誌に登場する人気企業の若手社員たちが、神に見えるんですよね」と懐かしそうに語るのは、作家であり、入社1年目の会社員でもある朝井リョウさん。先日、書き下ろし小説の『何者』で第148回直木賞を受賞した。『何者』は昨日までフツーの学生だったのに、就活が始まったとたん、自分を上手にアピールしなければ、何者かに見せなければと、みんなが自分を見失い、ちょっとずつおかしくなっていく──。就活をそんな視点で描いた作品だ。

■自分のアピールがとてもショボく思えた

(写真:菅原ヒロシ)

(写真:菅原ヒロシ)

「僕には、こんないいところがあります。御社に入ったらこんな貢献ができます」というものをひねり出し、自分をよく見せなければいけないと、朝井さん自身、思っていた。面接会場でほかの学生の「インターンシップはとても刺激的な体験でした」という自己アピールを聞くたびに、彼らが「すごい武器を持っている人」に見えていた。

「僕の自己アピールなんて、オープンキャンパスのイベントでMCをした話ですから! ショボいでしょ」

自分が作家として活動していることは隠したまま受けた企業も多かった。会社生活に100%の力を注げない新人など、敬遠されると思ったからだ。大学4年になったばかりの4月、ある会社から内定が出た。作家生活と両立できそうだという理由で応募した、半官半民の会社だ。

就活を終わらせようかと思い、3歳上の姉に相談。「就職先は、選べるときに選んでおいたほうがいいよ」との答えが返ってきた。

「『40年いるかもしれないんだよ』と言われ、ハッとしました。僕のなかでは内定がゴールになっていたことに気づいたんです」。長く働きたい会社という視点で就活を再開し、内定を得たのが今の会社だ。

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