クリミア住民投票、ロシア編入支持 米欧は制裁強化へ
【シンフェロポリ=共同】ウクライナ南部クリミア半島で16日実施されたロシア編入の是非を問う住民投票で、選挙管理委員会は17日未明(日本時間同日朝)、開票率75%段階の暫定集計として、95.7%が編入を支持したと発表した。住民投票によるロシア編入の承認は確実となった。暫定投票率は82.71%。
ロシア大統領府の17日の発表によると、プーチン大統領はオバマ米大統領と電話会談し、クリミアの住民投票は、国際法に完全に合致して実施されたと強調した。
カーニー米大統領報道官は16日の声明で、住民投票は「ロシアの軍事介入の脅威の下で行われた」と結果を拒否すると表明。また「(ロシアに)代償を支払わせるための具体的措置を取るよう求める」と国際社会に制裁強化への結束を訴えた。
米国と欧州連合(EU)は17日にもロシアに対する制裁強化を決定する見通し。
一方、カーニー報道官によると、オバマ氏は電話会談でプーチン氏に「外交的解決」を引き続き模索するとも表明。両大統領は、米国が求めていた欧州安保協力機構(OSCE)監視団のウクライナへの派遣を協議しており、ロシアが米国の要求の一部をのむことで妥協を模索する可能性も出てきた。
クリミア自治共和国のアクショーノフ首相は16日夜「われわれはロシアに入る」と宣言。クリミア最高会議(議会)は住民投票の結果を受け、17日にも代表団をモスクワに派遣し、ロシア政府側と編入手続きについて協議する方針。
ロシア下院は21日にクリミア編入に向けた法案を審議する予定だが、プーチン大統領が態度を表明するかどうかが注目される。
住民投票は(1)ロシアに編入する(2)ウクライナにとどまり、より強力な自治権を定めた1992年の独自憲法に戻る――の二者択一。選管によると、ウクライナ残留支持は3.2%だった。