圧巻の映像体験 「自動生成」が生む新世代ゲーム
ジャーナリスト 新 清士

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2014/1/24 7:00
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 家庭用ゲームソフト開発で注目されている技術がある。データの自動生成技術だ。データ作成手続きを数式などで設定しておくと、人間の手作業よりはるかに簡単に膨大なデータを処理し、人間には作れない壮大な映像を作成する。自動生成を活用したゲームの映像はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)「プレイステーション4(PS4)」やマイクロソフト「XboxOne」など高性能な家庭用ゲーム機ほどその魅力を存分に楽しめる。自動生成技術はスマートフォン(スマホ)向けゲームにはない、家庭用ゲームならではの新しいコンテンツの登場を予感させる。

PS4は13年11月に発売した欧米で、予想以上に好調な売れ行きをみせている

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■開発時の負担を大幅に軽減

ゲームソフトの映像を構成する3D(3次元)データは、一般に映像制作の専門スタッフが手作業で作成している。開発作業では、ゲームに登場する人物、車、街、森などを構成する要素の3Dデータを用意しなければならない。ユーザーがゲーム内で動き回るマップを広く作れば作るほど膨大なデータ処理が必要になり、作業は複雑化し手間も増える。

ストーリーを盛り上げたり構成を面白くしたりするため、ゲーム開発の途中でマップにさまざまな修正を加えていく。その場合も手作業が基本で、それが家庭用ゲームの開発コスト上昇の一因となり、ゲーム会社にとっては重荷なのだ。

自動生成技術を使うと、こうしたゲーム開発時の負担が大幅に軽減できる。すでに既存のゲームでも自動生成を導入し、ゲームに登場するキャラクターの動きを人間に近い滑らかさで描写したり、樹木や森、海、空といった風景の映像を簡単に作成したりするケースが増えている。

注目されるのが、ゲームの根幹にかかわるすべての開発作業やゲームシステムに自動生成技術を応用しようという動きが広がりつつあることだ。

■視聴者の度肝を抜いた映像

米ケーブルテレビのスパイクは2013年12月、年間の最高のゲームを表彰する番組を放映した。番組中に新作ゲームを紹介するコーナーがあり、ここで流れたある新作ゲームの1分30秒のプロモーション映像が多くの視聴者の度肝を抜いた。

SFをテーマにした英ハローゲームズの「ノーマンズ スカイ」がそれだ。プロモーション映像は冒頭で「このゲームの物質はすべて自動生成されている」と説明。次に「葉、木、鳥、岩、海、空、廃虚、星、太陽、銀河、惑星も自動生成されている」と紹介し、最後に「登場する惑星に同じ物はない」と締めくくり、ゲーム映像が始まる。

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