2018年7月21日(土)

「初音ミク」「ユニティちゃん」は一体誰のものか
ジャーナリスト 新 清士

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2014/4/18 7:00
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 ゲーム開発用ソフトを手がける米ユニティ・テクノロジーズ(カリフォルニア州)の日本法人は7日、自社オリジナルキャラクター「ユニティちゃん」の3D画像データを含むパッケージデータの無料配布を始めた。完成度の高い3Dデータを提供し、画像作製が不得意なプログラマーやゲーム開発初心者たちがゲーム開発に参加しやすくする狙いだ。さらにユニークなのは、一定の範囲内でユニティちゃんの商業目的での二次創作を認めたこと。自由な創作活動と著作権保護は相反するケースが多いだけに、同社の試みを多くのゲーム関係者たちが注目している。

■商用でも二次創作認める

「ユニティちゃん」公式ページ

「ユニティちゃん」公式ページ

 ユニティ社の主力製品である「ユニティ」は複数の基本ソフト(OS)に対応するゲーム開発ソフト。大手から独立系までさまざまなゲーム会社で幅広く利用されており、この分野で世界的に高いシェアを持つ。ユニティを利用している4月時点の登録ユーザー数は無料・有料の合計で250万人を超える。

 ユニティちゃんを配布した日本法人はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(東京・港)。ユニティちゃんは誰でも気軽に使え、改変もできる全てのデータやプログラムが付いている。

 配布データにはユニティちゃんのキャラクターモデル、モデルを動かす24種類のアニメーション、8つのポーズと45種類の音声などが含まれている。ユーザーはこのデータをダウンロードして自分のプログラムに組み込むことで、開発するゲームに容易にユニティちゃんを登場させて利用できる。今後も男女の新しいキャラクターを追加するなど、継続的にデータを拡充していく予定だ。

 今回ゲーム関係者が特に注目したのが、同社がユニティちゃんの配布に合わせて公開した、著作権に関する規定をまとめた「ユニティちゃんライセンス」だ。最大の特徴が、自社の著作権の範囲を一部制限し、他の開発者たちが二次創作をしやすい仕組みにしていることだ。具体的には、商用・非商用を問わず、前年度の売り上げが1000万円以下の個人またはサークルによる二次創作を認めている。商用販売を前提にユニティちゃんを使ったゲーム開発が可能なほか、ユニティちゃんを使った書籍、グッズ、コスプレのような服なども製作・販売できるのだ。

■魅力的なキャラクターが創作促す

 ユニークな著作権規定の背景には、「ゲーム開発者が使いたいと思うような魅力あるキャラクターを提供すれば、さまざまな新しい創作やコラボレーションが生まれるはず」(日本担当ディレクター大前広樹氏)と、開発者の自由な創作を促そうとする同社の狙いがある。実際、もともとのユニティに付属していたデモ用キャラクターは「無個性の配管工」といった、あまり魅力的とはいえないものだった。

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