迫り来る電力不足の夏 家庭や地域で蓄電池の活用広がる

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2012/3/19 7:00
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すっかり春めいてきたものの、まだ寒さも残る日本列島。しかし、あとわずか数カ月で暑い夏がやってくる。2012年も電力不足は続きそうで、節電やエネルギーの有効利用に向けた準備は、今が最盛期ともいえる状況だ。

そこで注目を集めているのが家庭用の蓄電池である。リチウムイオン電池と太陽光発電システム、そしてそれらを統合制御するHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)をセットで発売する動きが相次いでいる。電力需要の少ない夜間に電力をためておき、電力需要の多い昼間に放電する「ピークシフト」などを実現することで、エネルギーの有効利用をするだけでなく、停電といった非常時にも対応しやすくなる。

■4.65kWhの蓄電池を121万円で

図1 パナソニックが発売した住宅向けリチウムイオン蓄電池モジュール。旧三洋電機製ではなく、パナソニックがノートパソコン向けなどで量産している「18650」型の円筒型セルを搭載。2012年2月23日に開かれた記者会見で日経BPクリーンテック研究所が撮影

図1 パナソニックが発売した住宅向けリチウムイオン蓄電池モジュール。旧三洋電機製ではなく、パナソニックがノートパソコン向けなどで量産している「18650」型の円筒型セルを搭載。2012年2月23日に開かれた記者会見で日経BPクリーンテック研究所が撮影

例えばパナソニックは、2012年2月23日に「住宅用 創蓄連携システム」を発表した。太陽光発電システムとパワーコンディショナー、容量4.65kWhのリチウムイオン電池などを連係動作させることで、家庭内の電力を制御する。このうちリチウムイオン電池のユニットは、ノートパソコン向けなどに多数使われている「18650型」と呼ばれる円筒型セル(セルは単位となる電池のこと)を480個集めて構成した(図1)。大量生産されているセルを使うことで、同ユニットの価格を121万8000円に抑えた。

このリチウムイオン電池のユニットは、停電したときに一部の家電製品を動かす電源となるだけでなく、前述のピークシフト機能も担う(図2)。これによって安定した電力の供給が可能になる。ただし今のところ、ピークシフトによる経済的な効果は限られる。夜間の安価な電力を蓄電池にためて昼に使う運用をした場合、「太陽光発電の余剰電力買取制度」の対象外になってしまうからだ。同制度は、昼間に太陽光発電パネルで起こした電気を42円/kWh(家庭用、2012年6月まで)といった高単価で電力会社に買い取ってもらうもので、設備投資の回収に役立つといわれている。パナソニックも「(住宅用 創蓄連携システムを導入したときの)経済的効果については具体的には言えない。停電時のメリットや環境配慮などをトータルで評価してほしい」としている。まずは、環境意識の高い先進ユーザー向けに販売し、将来的に蓄電池のコストダウンを待って本格普及させていく戦略のようだ。

図2 パナソニックの住宅用「創蓄連携システム」のうち「経済優先モード」の模式図

図2 パナソニックの住宅用「創蓄連携システム」のうち「経済優先モード」の模式図

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