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日産、走行性能高める新技術を高級車に採用 量産車で世界初

図1 「Infiniti」ブランドのセダンタイプの新型車「Q50」

日産自動車は海外向けの高級車ブランド「Infiniti」として、セダンタイプの新型車「Q50」を発表した。日本名で日産自動車の「スカイライン」に当たる「G37 Sedan」の後継車である。「北米国際自動車ショー」(米国デトロイト、開催期間は2013年1月14~27日)で初披露した(

図2 ステア・バイ・ワイヤー技術を初めて採用

図1)。2013年夏に北米で販売を開始し、同年内に世界市場で展開する予定である。

最大の注目は、ステアリングと車輪を切り離し、アクチュエーターで操舵する「ステア・バイ・ワイヤー」と呼ばれる技術を採用した点である(図2)。同技術を搭載する量産車は「世界初」(日産自動車)という。

Q50の開発を担当したBert Brooks氏(同社 Infiniti Product Planning Senior Manager/RPMは、「ステアリングのギア比を車速域に応じて調整できるため、よりスムーズな走りを実現できる」と語る。この他、路面からタイヤに加わる力が直接ステアリングに伝わらず、轍(わだち)などでステアリングを取られる場面でも車両の直進安定性を高められる利点もある。

ステア・バイ・ワイヤー技術を実用化する上で注力したのが「信頼性の確保」(同氏)だった。今回、Q50にステア・バイ・ワイヤーを搭載するために、専用の電子制御ユニット(ECU)を3個使用しているという。3個のECUが相互に監視する。「一つのECUが判断を誤っても、正常な残り二つのECUの処理結果から正しい制御を行う」(同氏)とする。

2台前の車両の危険を察知する

この他、安全運転支援システムにも新しい技術を導入した。先行車で見えない前方の状況をミリ波レーダーで認識し、衝突回避を促す運転支援システム「Predictive Forward Collision Warning(前方衝突予測警報システム)」である。日産自動車が2011年にデモンストレーションを披露していた技術を実用化した。

2台前の車両の車速が極端に遅い場合や急減速した際には、先行車と共に追突の危険性がある他、先行車が車線を突然変更して自車が2台前の車両へ衝突する危険性がある。

こうした状況を回避するため、2台前の車両をミリ波レーダーを用いて車間距離や相対速度を監視し、衝突の危険性がある際に「表示と音で運転者に警告し、必要があればブレーキをかける」(Brooks氏)という。ミリ波は、前走車の床面と道路の間を通過させている。

Q50は、ガソリン車だけでなくハイブリッド車も用意する。ハイブリッド仕様車は、3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンに、1モーター2クラッチ方式のハイブリッドシステムを組み合わせた。エンジンの最大出力は302ps。モーターは50kW品で、最大出力は67ps。ハイブリッドシステム全体で360psの出力となる。Li(リチウム)イオン2次電池にはラミネートセルの品種を搭載する。

(日経エレクトロニクス 久米秀尚)

[Tech-On! 2013年1月15日掲載]

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