日本vs韓国、「技術」で勝って「アピール力」で負けた

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2013/1/16 7:00
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米ラスベガスで11日まで開かれた世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。日本勢ではソニーやパナソニックが、次世代ディスプレーの本命とされる有機ELのテレビやパネルを出展。有機ELテレビの開発で韓国のサムスン電子やLG電子に先を越された昨年の反省から、技術面での巻き返しをアピールした。しかし展示会場の盛況ぶりでは、なお韓国勢に水をあけられた印象が強い。存在感を十分に発揮できたという声には疑問符がつく。

パナソニックは有機ELテレビを展示し、技術力をアピール

パナソニックは有機ELテレビを展示し、技術力をアピール

「うちの方がきれいですよ。4Kですから」――。1月8日。サムスン電子の展示会場(ブース)の見学を終えたパナソニックの津賀一宏社長は、自信に満ちた口調で話した。フルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ「4K」画質で、世界最大となる56型の有機ELパネルを出展した。

ソニーも56型の有機ELテレビを展示。ブラジル・リオのカーニバルの様子を映した画面は、白と黒のコントラストが見事に演出され、来場者から「美しい」とため息まじりの感想が漏れた。翌日は地元のメディアでも称賛が相次いだ。経営悪化に苦しむシャープも、液晶パネルに使う独自技術「IGZO」をアピール。技術面での出遅れ感は払拭できたと言っていいだろう。「技術で負けていない」(パナソニックの津賀社長)

しかし、技術面での差が感じられなくなったことで、むしろそれ以外の違いが目立つようになった。典型的なのが、展示会場などでの見せ方だ。

サムスン電子の会場では熱意のこもった説明がみられた

サムスン電子の会場では熱意のこもった説明がみられた

サムスンの会場では入り口に110型の大型液晶テレビを配置し、参加者の目を引いていた。LGは入り口の上部に3次元(3D)映像を流すスクリーンを設置し、来場者の足を止めていた。会場内も活況だ。

「こうして手をかざすとテレビ画面のカーソルが動くのよ。握ると、その画像を選択できるの」――。サムスンなどの展示場では、説明員が身ぶり手ぶりを交えて熱意のこもった説明を繰り返していた。来場者と気軽に会話が交わされ、現地に溶け込んでいる印象が強い。サムスンは展示場の外でも、スマートフォン(スマホ)で顔写真を撮影してTシャツやマグカップに印刷するサービスを実施して、長蛇の列をつくらせていた。

これに対し、パナソニックやシャープ、ソニーのブースは整然としており、大きな仕掛けもなかった。説明員も日本で開く展示会のように、型通りの説明に終始していた印象が否めない。

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