2019年1月24日(木)

ホンダ、補助輪付き電動1輪車「ユニカブ」の実証実験

2012/5/16付
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図1 「UNI-CUB」の外観。乗っているのは日本科学未来館館長の毛利衛氏

図1 「UNI-CUB」の外観。乗っているのは日本科学未来館館長の毛利衛氏

ホンダは2012年5月15日、1人乗りの補助輪付き電動1輪車「UNI-CUB(ユニカブ)」を開発し、6月から実証実験を始めると発表した(図1)。体重移動に伴う座面の傾きや速さに応じて、前後左右の移動に加えて旋回できる。歩く速さと同じくらいで最高速度は時速6km。屋内の段差が少ないバリアフリー空間での移動が対象。ホンダが2009年に発表した電動1輪車「U3-X」の後継機となる。

実証実験は、東京都の日本科学未来館で実施する。「どのようなニーズがあるのか見極める」(本田技術研究所二輪R&Dセンター企画室主任研究員の末田健一氏)のが狙い。6月から、同館の従業員が来場者の前で実演して見せる。その後に同館の業務に使う。2013年3月までに、一般の来場者が体験できる時期などを含めた次の実験内容を決める考え。実用化の時期は未定。

従来のU3-Xからの大きな変更点は、前後左右の駆動力を与える大径車輪の後ろに、左右だけの駆動力を与える補助輪を付けたことである。ほぼ停まった状態のときに補助輪を動かすと、その場で旋回できる。人と話すときにその場で振り向きたいといった状況に対応できる。

図2 試作機。ジョイスティックが付いていた

図2 試作機。ジョイスティックが付いていた

「1輪車」と呼んだが実際は多くの車輪が付いており、前後の力を与える大径車輪の外周に沿う形で、それとは90度向きがずれた左右に駆動力を与えられる多数の小さな車輪がある。この大径車輪の接地点は一つで、これだと停まった状態から前後と左右にしか動かせない。補助輪は大径車輪の接地点と20~30cmほど離れた位置にあるので、補助輪を動かすと大径車輪の接地点を中心とした回転力を車体に与えられる。

ホンダは、2011年12月にUNI-CUBの試作機を公開していた(図2)。そのときは座面の左右にレバーがあった。座面の傾きや速さに合わせて車体を動かすのが基本だが、レバーを傾けて移動したい向きを指示することができる。今回の開発品ではそのレバーをなくした。レバーは運転者の肩より外側に付くので、横から人がぶつかるとレバーに当たる。レバーは硬いので相手にダメージを与えやすい。レバーがなければ人と人がぶつかるのと同じで、安全性が高まる。

図3 スマートフォンで操作できる

図3 スマートフォンで操作できる

レバーをなくした代わりに、スマートフォンのタッチパネルで移動したい向きを指示できるようにした(図3)。スマホにUNI-CUB制御用のアプリを搭載し、無線通信で車体に信号を送る。アプリの画面には十字が描かれており、指を触れた位置に応じて車体の進行方向や速度を指示できる。ただし、スマホによる指示と体重移動による指示とでは後者を優先する。つまり、体を前に傾けているときにスマホで後ろに動くよう指示した場合、車体は前に動く。

足置きを除いた外形寸法は全長520×全幅345×全高745mm。座面の高さは745mmから825mmまで変えられる。リチウムイオン2次電池を搭載し、1充電当たりの航続距離は6kmである。

(日経Automotive Technology 清水直茂)

[Tech-On! 2012年5月15日掲載]

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