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アサヒ飲料、湘南などでWi-Fi搭載自販機の設置開始

アサヒ飲料は、アサヒカルピスビバレッジが展開する清涼飲料の自動販売機に、ネットに無料で無線接続できるWi-Fi(無線LAN)装置の搭載を開始した。飲料メーカーとしては業界初となる。2012年5月初旬時点でまず5台を設置済みだ。

神奈川県の湘南エリアにある複合施設「リビエラ逗子マリーナ」の駐車場(写真1)をはじめ、地方の病院や専門学校などにも展開し始めた。逗子マリーナの駐車場の場合は、駐車した車の中からWi-Fi接続することもできる。無線が届く範囲は自販機を中心に半径50mほどになる。

2011年末にアサヒ飲料がWi-Fi搭載自販機の展開を発表すると、全国から引き合いが入り始めた。2012年3月下旬から自販機設置の商談を開始し、5件の契約が完了したため、先行して5台を設置した。2012年夏以降には商談を本格化し、2012年度中に1000台の設置を目指す。5年後には1万台を計画している。

いずれも既存の自販機からの置き換えではなく、新規設置案件になる見込み。現在、アサヒ飲料は約26万台の自販機を全国に展開しており、Wi-Fiの搭載で設置台数の増加に弾みを付けたい考えだ。2012年10月にアサヒグループ入りが決まったカルピスはもともと自販機事業で提携関係にあったが、早期に相乗効果を生むためにはまず自販機の強化は欠かせない。

Wi-Fi搭載自販機の設置場所としては、観光地や商業施設、商店街、オフィスビルなどが想定される。アサヒカルピスビバレッジの坪野靖典企画部課長補佐によれば、「Wi-Fiの搭載で飲料の販売増を狙うというよりは、人が集まる場所での無料のネット接続サービスの提供による利便性向上を意識するロケーションオーナーが多い」という。

このWi-Fi搭載自販機は、通信キャリア(通信事業者)を特定しない「キャリアフリー」が売り物だ。利用料金もかからない。ただし、スマートフォンなどから接続する場合は、最初に利用規約が表示され、承諾すると使えるようになる。利用規約と一緒に広告やクーポン、地域情報などを配信することも可能。アサヒ飲料が本社ビル内に設置しているWi-Fi搭載自販機では、アサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダ」の動画を配信し、アイドルグループAKB48のCM映像などが流れるように設定している。

なお、アサヒカルピスビバレッジは自販機への商品の補充システム「リアクト」を2008年から運用している。ただし、今回のWi-Fi機能を補充システムに応用する予定は当面ないとしている。

(日経情報ストラテジー 川又英紀)

[ITpro 2012年5月15日掲載]

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