2018年11月21日(水)

日本発の無名アプリ「ゲーム発展国++」に世界が注目
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2011/2/16 7:00
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「AppStore」(米国)で販売されている「ゲーム発展国++(Game Dev Story)」の紹介ページ

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2月28日から米サンフランシスコで開催されるゲーム業界の国際イベント「ゲーム開発者会議(GDC)」では、世界のゲーム開発者によって過去1年間のゲームから選ばれた最優秀タイトルが「Game Developers Choice Awards」として発表される。この賞の「ベスト携帯ゲーム部門」の最終選考に、日本の無名ゲーム会社のタイトルがノミネートされた。カイロソフト(東京・新宿)の「ゲーム発展国++(英語名:Game Dev Story)」だ。

このゲームは2010年10月にアップルの「iPhone」向け、同12月にグーグルの携帯電話向けOS「Android(アンドロイド)」向けアプリとして発売された。経営シミュレーションという比較的地味なジャンルに属し、見た目も2Dの小さなキャラクターがちまちま動きまわる低予算ゲームという印象がある。ところが、これが欧米圏で話題になり、海外の開発者の大絶賛を受けている。

■ゲーム業界のパロディ満載

このゲームのテーマはゲーム会社の経営だ。期間は、「ファミコン」登場以前のゲーム産業の黎明期から、「Wii」などが登場する最近までの20年間。社員2人の小さなゲーム会社からスタートして、スタッフをうまく雇ってチームを運用する。優れたゲームを発売することで収益を伸ばし、規模を拡大していく。操作は単純ながら、ゲームの持つリズム感がいい。

もう1つの特徴は、日本のゲーム業界のパロディが満載な点。例えば、ゲーム機は「ソヌィ」の「プレステータス」、「雨天堂」の「ウテンドウDM」といった具合で、マニアックなゲーム機も数多く登場する。ディレクターは「堀田雄三」、プロデューサーは「ステイブ・ジョビン」など、ネタ元がわかりやすくついニヤニヤしてしまう。

英語版でもパロディが光っている。スタッフの体力を回復させる栄養ドリンクのアイテムは「Dead Bull」。「GAMEDEX」というゲームの展示会が開催され、ゲームをリリースすると、4人が10点満点で評価するクロスレビューが表示される。その合計点が36点以上になると「殿堂入り」し、売れ行きや続編を作れるかどうかが決まる。これもどこかの有名ゲーム誌にそっくりだ。

■15年間で約20種類の経営ゲーム

このゲームは80~90年代の日本のゲーム産業の雰囲気がよく出ている。小さかった会社が資金力を得て、だんだんと大予算のゲームを開発できるようになる。最初は数千本しか販売できないが、広告費を使いゲームを出し続けることで知名度が上がり、100万本単位の成功が普通となり、会社の利益もうなぎ登りに増えていく。日本のゲーム産業がピークを迎えていた90年代の気分そのものだ。

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