2019年8月19日(月)

「ソー活」に挑む学生たち
(テクノロジー編集部BLOG)

2013/3/18付
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今春から大学生になる私の長男が先日、スマートフォン(スマホ)を買ってきました。彼は「スマホには興味ない」として、高校時代はずっと従来型の携帯電話を使ってきたのですが、大学が決まった直後からスマホに替えたいと言い出しました。理由を尋ねると、「いずれ就活(就職活動)で必要になる」と社会人の先輩にアドバイスされたからだそうです。大学が決まったばかりなのに「シューカツ」を意識するなんて気が早いなあと思いながらも、今の学生たちの厳しい就職状況を思って妙に納得してしまいました。

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最近の就職活動は企業も学生もソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用するケースが増え、「ソー活」とも言われています。スマホは今やソー活に欠かせないツールになりつつあるようです。マイナビが2014年春卒業予定の大学生を対象に実施した「大学生のライフスタイル調査」(回答者数5700、調査期間は12年12月~13年1月)によると、就活生のスマホ保有率は男女とも8割を超え、全体で83.9%にのぼりました。

この調査でスマホは就活のどのような場面で役立つかを聞いたところ、「企業セミナーの予約・確認」(78.8%)、「地図の閲覧」(76.0%)、「企業からのメッセージの確認」(71.0%)が上位3つ。「面接の予約・確認」(57.2%)も5割を超えました。よく利用するSNSは「フェイスブック」(61.7%)、「LINE」(59.6%)、「ツイッター」(58.4%)の3つが突出していました。

情報収集や人脈づくりにスマホを活用する学生に対し、企業側はSNSで採用活動を効率化すると同時に優秀な学生の確保に役立てようとしています。例えば、採用にフェイスブックを使っている企業の中には、面接した学生のフェイスブックを調べるところも多いそうです。日常の記録やコメントから人柄を観察したり、「友達」の数から人脈形成力を推し量ったりして、学生の「素」の姿を探ろうというわけです。

フェイスブックの内容が企業の採用担当者に読まれることを意識して、よそ行きの公式発言を書き込む学生は多いと思われます。フェイスブック上で善良な学生を演じる人もいるでしょう。こうした学生たちに対し、「フェイスブックの友達は50人以上にすること」「写真は笑顔で」などとアドバイスする就職支援塾・サイトも見られます。

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もともと就職活動の面接は、企業と学生がお互いにいいところだけを見せようとする"化かし合い"的な面があります。ネットを通じてざっくばらんな本音や生の声が飛び交い、友人や知人との交流が楽しめるSNSも、ソー活のツールになるともはや「素」の自分をさらけ出すことは控え、建前で飾られた言葉があふれているのかもしれません。前述の調査で、就活におけるフェイスブックなど実名を伴うSNSを「(あまり)利用していない」という人にその理由を尋ねたところ、「プライベートなもので見られたくないから」(46.1%)がトップでした。

スマホやSNSが急速に広がり、日常的なツールとして利用される場面は今後さらに広がるでしょう。SNSを使う側にとっては、プライベートな用途と公的な用途でどれだけきちんと使い分けられるかが問われそうです。

(土)

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