富士通のデスクトップPC、被災から生産再開までの一部始終
福島県の拠点損壊、事業継続計画を基に復活

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2011/4/15付
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■余震による建屋の損壊や漏電で復旧作業が難航

福島での生産再開に向けては、建屋の安全性の確認がポイントになった。安全が確保できないと、生産ラインの状況の確認や復旧作業を進められないからだ。現地では3月11日以降も余震が続き、建屋の壁の傾きが大きくなったり、天井が落ち始めたりといった新たな被害も出ていた。また、電力の供給に支障はなかったが、水の供給は震災が発生して以来ストップしたままだった。

富士通アイソテックでは震災前の2月から、大成建設が現場事務所を設けて、設備の新設やリニューアルのための工事を行っていた。震災後は、この現場事務所を活用し、大成建設と電気工事の業者などがチームを組んで、建屋の安全性の確認や復旧作業を担った。ピーク時には1日当たり50~60人が作業を担当。土日や夜間も作業を進めた。作業の内容は、「建屋の安全性の確認」「崩れた天井や壁などの撤去と応急処置」「漏電個所の確認」などだ。天井から崩れたダクトは、切断したり分解したりして外に運び出した。余震が起こるたびに建屋の被害が増えたり、新たな漏電が発生したりして、作業は難航したという。こうした作業が終了した後に、富士通側の担当者が、生産ラインの確認と復旧に取り組んだ。

3月20日には、水の供給が一部再開。さらに、3月22日には、建屋の安全確認や壊れたダクトなどの撤去が完了して、デスクトップパソコンの生産ラインの復旧作業に着手した。この作業には約130人の従業員が参加。「4日間は掛かると思われた作業が2日間で終了した」(増田社長)。3月24日は実際に、20台のデスクトップパソコンを試験的に製造した。空調機能が使えず、余震が続く中で、生産ラインのスタッフは防寒着を着て、ヘルメットをかぶって作業したという。この試験製造で、設備やシステムの動作が確認でき、28日からの生産再開を決定。準備や清掃などを進めて、28日からデスクトップパソコンの生産を再開した。

図7 富士通アイソテックのデスクトップパソコン生産ライン。震災から17日後の3月28日に生産を再開した(図7~9は日経パソコンが4月5日に撮影)

図7 富士通アイソテックのデスクトップパソコン生産ライン。震災から17日後の3月28日に生産を再開した(図7~9は日経パソコンが4月5日に撮影)

図8 デスクトップパソコンの試験工程。生産ラインのある建屋の空調はまだ回復していない

図8 デスクトップパソコンの試験工程。生産ラインのある建屋の空調はまだ回復していない

図9 富士通アイソテックのオフィス。壁のガラスが割れた部分に透明のシートを貼っている。天井の一部も破損したままだ

図9 富士通アイソテックのオフィス。壁のガラスが割れた部分に透明のシートを貼っている。天井の一部も破損したままだ

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