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KDDI、LTEを最大150メガに 国内最速、14年春めど

速度競争でソフトバンク引き離す

KDDI(au)は、9月21日に商用サービスを開始するLTE方式の高速通信サービス「au 4G LTE」で、2014年3月にかけて通信速度を大幅に引き上げる。開始当初は下り最大毎秒37.5メガビット(Mbps)~75Mbpsだが、13年春~秋にも同112.5Mbpsとし、14年3月までに同150Mbpsまで高速化する。同150Mbpsが実現すれば、国内の携帯電話事業者で最高速となる。14日に開催したLTEサービスの説明会で石川雄三専務が表明した。

ここ数年、国内の携帯電話事業者間では、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の機種の違いが競争軸となっている。業界3位のソフトバンクモバイルが米アップルのスマホ「iPhone」をてこに契約数を伸ばし、同2位のKDDIに迫っている。一方でKDDIは、11年秋からiPhoneの取り扱いを始めたほか、12年初頭からは携帯回線と光回線のセット割引、アプリや動画といったコンテンツの定額サービスなどで新たな競争軸を矢継ぎ早に打ち出している。LTEに対応した新型機「iPhone5」が発売されるのを機に、通信速度も新たな競争軸の一つとして打ち出し、ソフトバンクを再び引き離したい考えだ。

2.1GHz帯の電波をすべてLTEに転換

KDDIのLTEは3つの周波数帯を使用。800MHz帯と2.1GHz帯は、現在3G向けに使用している電波をLTE向けに転換していく

LTEで下り最大150Mbpsのサービスを提供するには、40MHz幅(下り/上り各20MHz幅)の電波を確保する必要がある。このため同社は、これまで主に第3世代携帯電話(3G)サービス向けに利用していた2.1ギガヘルツ(GHz)帯の電波をLTE向けに振り向ける。

KDDIは2.1GHz帯で40MHz幅の電波を保有しているが、12年9月のLTE開始当初は、このうち10M~20MHz幅をLTE向けに充て、通信速度を場所により下り最大37.5Mbpsまたは75Mbpsとする。これ以外の2.1GHz帯も、14年3月末までにすべてLTE向けに転換することを目指す。

下り最大150Mbpsのサービスを実現する前に、中間段階として30MHz幅を使った同112.5Mbpsのサービスも予定している。「米クアルコムから112.5Mbps対応の通信制御LSI(大規模集積回路)が出てくるタイミングに合わせて提供したい」(KDDI 技術企画本部モバイル技術企画部システム戦略グループの松田浩路グループリーダー)としており、対応を急ぐ考えだ。

なお、21日に発売予定のiPhone5について、米アップルはLTEの下り最大速度を100Mbpsとしている。KDDIのLTE回線とiPhone5を組み合わせたときの最大速度について「下り最大75Mbpsまでは確認しているが、それより速い速度が出せるかどうかはコメントできない」(KDDI)としている。

複数の周波数帯を同時利用する高速化技術も

2.1GHzと同様、現在は3G向けとして利用している800メガヘルツ(MHz)帯の電波も、30MHz幅のうち20MHz幅を12年末までにLTE向けに転換。800MHz帯でも下り最大75MbpsでLTEを利用可能にする。残りの10MHz幅は「海外ローミングの受け入れ用といったニーズもあるため、今後も3G向けに残す」(松田グループリーダー)としている。

 2.1GHz帯と800MHz帯に加え、東名阪をはじめとする主要都市では1.5GHz帯でもLTEを展開。1.5GHz帯は新規に利用する周波数で、800MHz帯と同じく12年末までに下り最大75Mbpsでサービスを始める。

さらに、2GHz帯と800MHz帯といった複数の周波数帯を同時に使いデータ通信する「キャリアアグリゲーション」と呼ばれる技術についても「オプションとして考えている」(松田グループリーダー)と表明。2.1GHz帯で40MHz幅の整備が完了する前でも、同技術を活用することで下り最大150Mbpsを実現できるとした。

WiMAX2計画の見直し示唆

LTEサービスの高速化計画を説明するKDDIの石川雄三専務

LTEへの移行を急速に進めるため、KDDIでは12年の年末商戦向けモデル以降、スマホの大半を3GとLTEの両対応として展開していく。同社の現行のスマホでは3GとモバイルWiMAX(ワイマックス)の両対応モデルが多いが、「WiMAXはデータ通信専用なので、データ通信の分散(オフロード)用として重要と考えている。3GとWiMAXの両対応モバイルルーターといった形で(LTEと)共存できると思っている」(石川専務)と語り、今後はWiMAX対応スマホを縮小し、代わりにLTE対応スマホを推進していく方針だ。

KDDIはこのほか、WiMAXの後継サービスとして計画している「WiMAX2」について「いろいろなオプションを検討している。別の機会に私どもの考え、計画を説明したいと考えている」(石川専務)と語り、計画の見直しを示唆した。

同社は13年に下り最大165MbpsでWiMAX2の商用サービスを開始する計画を打ち出している。しかしここ数年、世界ではWiMAXやWiMAX2に代わり、中国などで採用が検討されている「TD-LTE」方式を推進する事業者が増えている。

KDDIとともにWiMAXの推進役を担っていた半導体大手の米インテルや通信事業者の米クリアワイヤーは、それぞれWiMAX事業の見直しを進めている。KDDIがこれまでの計画通りWiMAXを推進するのか、TD-LTEに転換するのかに注目が集まっている。

(電子報道部 金子寛人)

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