2019年7月21日(日)

漂流東電、「電力村」で孤立 戻らぬ自民との蜜月

(1/4ページ)
2013/6/17 7:00
情報元
日本経済新聞 電子版
保存
共有
その他

東京電力の国有化からもうすぐ1年。かつての「電力の盟主」を他の電力会社は異端視し、距離をおくようになった。以前は蜜月関係を誇った自民党とのパイプもすっかり細った。漂流する東電に誰が救いの手を差し伸べるのか。経営危機の火種が再び膨らみつつある。

■始まった兄弟げんか

5月上旬、中部電力の企画部門幹部は東電の担当者に何度もきつい口調で迫っていた。

「そんな簡単に東電さんの要求はのめませんよ。我々が納得できる案を示してほしい」

戦後に生まれた東電や中部電。兄弟のように育った電力会社の社員同士が、ここまでぶつかることは珍しい。衝突の舞台となったのは、東電と中部電との石炭火力発電所の共同建設計画だった。

福島第1原子力発電所事故の処理で資金繰りが厳しい東電が火力発電所の入札を実施し、中部電が応じたこの案件。最初は東電支援のつもりでパートナーに名乗りをあげた中部電だが、やり取りを重ねるうちに東電への不信感が募っていく。

東電はできるだけ多くの電力を確保したいと主張する一方で、800億円前後もかかる建設費用の大半を中部電に負担させようとしていたのだ。

「あまりにも身勝手だ」と憤る中部電。電気の上限価格が1キロワット時あたり9円53銭という採算割れすれすれの入札条件で、そもそも東電に協力するうまみは少ない。そこで、中部電は建設費を負担する代わりに、この発電所の電力の何割かを引き取って「首都圏で顧客に直接売りたい」と訴えた。

これにも東電は難色を示す。だが、中部電が離れれば、電源不足に陥る懸念も出てくる。最終的には発電した分の7割を東電、3割を中部電が引き取ることで合意し、中部電は首都圏進出の道筋をつけた。東電は火力の建設費を浮かすことはできたが、その代償として中部電を敵に回すことになった。

■「社長会」に入れない

中部電だけではない。東電に対する警戒心は電力業界で広がっている…

[有料会員限定] この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。