富士フイルム、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届ける部材を開発

2012/11/15付
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富士フイルムは、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届けることができる「マイクロニードルアレイ」を開発した。マイクロニードルアレイは、100μ~2000μmの長さの微細な突起をシート上に配しており、皮膚表面に貼ることで、突起部分から薬剤を皮膚に浸透させ、体内に届けることができる。突起部分は、皮膚に貼っても注射のような痛みを感じることがないという。

薬剤の代わりに色素を入れたマイクロニードルアレイ

薬剤の代わりに色素を入れたマイクロニードルアレイ

マイクロニードルアレイ

マイクロニードルアレイ

突起部分には、注射剤成分として使用実績のある多糖類などを使用した。突起そのものが数分以内に皮膚下で溶解し、突起中に充填された薬剤を体内に届けることができる自己溶解タイプである。突起部分が体内で溶解しない方式では、突起部分が折れて体内に残る危険性があるが、今回の開発品は突起そのものが消失するため、高い安全性を実現したと説明する。

開発には、写真フィルムの製造で培った精密加工技術などを応用した。突起の長さや形状を自由に設計することができ、大量生産も可能という。現在は、マイクロニードルアレイにワクチンやホルモンを充填して動物実験を実施している段階である。ワクチン投与の実験では、注射と比べて同等量以上の抗体が生成されることを確認したという。今後、ヒトでの臨床研究の実施に向けての準備を進める考え。

富士フイルムは、マイクロニードルアレイを自社で商品化すると同時に、他の製薬会社などとの協業を通じて用途開拓も進めていく考えである。

(日経エレクトロニクス兼デジタルヘルスOnline 小谷卓也)

[Tech-On! 2012年11月14日掲載]

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