IGZOでディスプレー革命、「王者シリコン」に引導へ 13年の注目技術9位

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2013/12/24 7:00
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 経済ではアベノミクスに沸いた2013年、社会に大きなインパクトをもたらした技術は何か――。IT(情報技術)や医療、建設、電気・機械の分野を対象にした雑誌を発行する日経BP社では、専門記者200人が今年注目された300以上の技術を挙げ、その中から4人の審査員(ノンフィクション作家の山根一眞氏、日経トレンディの渡辺敦美編集長、日経ビジネスの山川龍雄編集長、日経WOMANの佐藤珠希編集長)がベストテンを選出した。今回は、ベストテンで9位となった「IGZO(イグゾー)」を取り上げる。ディスプレーの駆動素子用材料の一種であるIGZOは、高精細や低消費電力を実現するだけでなく、折り曲げられるなど新たな価値をディスプレーに提供する。ディスプレー業界に革命をもたらす新材料として大きな期待を寄せられている。

シャープのスマホのトレードマークとなった「IGZO」

シャープのスマホのトレードマークとなった「IGZO」

高精細で美しい液晶ディスプレーを備え、しかも何日も充電せずに使い続けられる電池が長持ちするスマートフォン(スマホ)。その実現に貢献した技術が「IGZO(InGaZnO)」である。

シャープが、世界に先駆けて2012年に実用化に成功した。同社はIGZO技術を採用した液晶ディスプレーを自社のスマホに搭載し、「IGZOモデル」として発売した。

この端末はディスプレーの美しさや、丸2日間以上充電せずに使うことができるという特徴が受けて、ヒット商品となっている。シャープは2014年度以降に発売するスマホとタブレット端末のすべてに、IGZOを搭載する意向だ。

IGZOを搭載したシャープ製タブレット端末「AQUOS PAD」

IGZOを搭載したシャープ製タブレット端末「AQUOS PAD」

■シリコンを置き換える革新的材料

IGZO技術が持つインパクトはこれにとどまらない。8K(スーパーハイビジョン:7680×4320画素)と呼ばれる超高精細の大画面ディスプレーや、大画面の有機ELディスプレー、さらには曲げることができるフレキシブルディスプレーなど、従来は実現が難しいとされてきた革新的なディスプレー技術の実現手段になると期待されている。

そもそもIGZOとは、「酸化物半導体」と呼ばれる材料の一種。インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)から成る化合物「In-Ga-Zn-O」の略称である。

そしてこの材料は、ディスプレー材料の"王者"として長く君臨してきたSi(シリコン)を置き換える革新的材料として、注目を集めている。

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