2019年1月18日(金)

家電業界が挑む「コモディティー化」という怪物、価格の"半減期"は3年

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2012/4/15 7:00
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家電各社が薄型テレビをはじめとする製品価格の急落に苦しんでいる。ソニー、シャープ、パナソニックなど薄型テレビへの収益の依存度が高い企業は軒並み2012年3月期に巨額赤字を計上する見通し。ソニーは12日の経営方針説明会で、今後、テレビ事業の立て直しと並行して、デジカメ・映像機器、ゲーム機、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)への取り組みを強化すると発表した。しかし薄型テレビの平均単価が3年で半額に下落する事態は、他のデジタル機器でも起きている。

テレビ事業の再建策を説明するソニーの平井一夫社長兼CEO(12日午後、東京都港区)

テレビ事業の再建策を説明するソニーの平井一夫社長兼CEO(12日午後、東京都港区)

ネットや半導体技術の進化に伴う価格性能比の向上と供給過剰、アジア勢の台頭がもたらす製品の「コモディティー(汎用品)化」という"怪物"と対峙しながら、日本企業は収益確保の道を探らなければならない。

平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)が会見で吐露したのは「ここでソニーが変わらなければ、ソニーが立ち直る機会は本当に二度と訪れないかもしれない」との危機感である。そのソニーが挑もうとしている最大の難敵はコモディティー化である。

■40型液晶テレビが3年で半額以下に

家電製品の店頭実売価格を調査しているBCN(東京・千代田)によると、ソニー製液晶テレビの中でも売れ筋である40型の平均単価は、3年前の09年3月は15万1100円だった。それが直近の12年2月は6万5500円と半額以下まで下落している。サイズを限定せず、ソニーの液晶テレビ全体の平均単価で見ても、この3年間で9万8300円から5万100円とほぼ半減のペースだ。

シャープや東芝、パナソニックなどほかの国内大手メーカーに比べれば、ソニー製品の平均単価は総じて同等かそれ以上の水準を確保しているが、テレビという商品の付加価値を消費者から認めてもらえず、つるべ落としのように単価が急落する状況から逃れられずにいる。

薄型テレビの需要が目に見えて増加したのは、薄型テレビなど家電3製品を対象にした「家電エコポイント」制度がスタートし、実質数千~数万円引きで買えるようになった09年5月以降だ。当初は単価下落も小幅だったが、同年の年末商戦や翌10年の春商戦を経て、じわじわと単価が下がり始める。

ソニーの液晶テレビの平均単価は、過去に2度ほど上昇に転じている。1度目は3次元(3D)視聴を特徴とした機種など、新製品を大量投入した10年6月前後。メーカーによる自助努力の成果ともいえるが、効果は長持ちせず、3カ月程度で元の水準に戻ってしまった。2度目は家電エコポイントの補助額が半分程度に切り下げられる直前、駆け込み購入が相次いで在庫切れが相次いだ同年11月前後だ。これも、年明けには再び下落して元に戻っている。

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