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丸ごとレビュー 新型VAIOを試す 高性能CPU使った軽量タブレット

フリーライター 竹内 亮介

ソニーは10月8日、11.6型でフルHD解像度のタブレット「VAIO Tap 11」を11月16日に発売すると発表した。OSにウィンドウズを採用するVAIOシリーズとしては初のフルタブレットだ。また第4世代Core iシリーズを搭載し、ウルトラブックにも等しい性能ながら、780グラムという軽量ボディーを実現したことにも注目したい。今回はこの高性能タブレットの使い勝手や機能性をチェックしていこう。

片手持ちで操作できる「タブレット」

VAIO Tap 11では本体にキーボードを装備しない。タッチ対応の液晶ディスプレーのみで操作するタブレットに近いパソコンであり、ウィンドウズを搭載するVAIOシリーズでこのタイプは初めてだ。ワイヤレスで動作する薄型のキーボードとタッチパッドが標準で添付されており、普通のノートパソコンのような使い方も可能となっている。

店頭販売モデルはCPUがCore i5-4210Y(動作クロックは1.5ギガヘルツ)、メモリーが4ギガバイト、ストレージが128ギガバイトのSSD、マイクロソフトの「オフィス2013」をプリインストールしたモデルで、実勢価格は17万円前後。CPUやメモリー、ストレージ、カラーリングなどを選択できる受注生産方式のBTOモデルも用意しており、今回試用したのはホワイトのBTOモデルだ。

箱から取り出して驚くのはやはり軽さだ。タッチ操作に最適化したウィンドウズ8の発売以降、こうしたフルタブレットタイプのパソコンはめずらしい存在ではなくなった。ただ、Core iシリーズを搭載する高性能なモデルだと1~1.2キログラム前後が主流である。そこまで重くなると、iPadやAndroid搭載のタブレットのように片手で抱えて操作する、というのは非常に難しい。

しかしVAIO Tap 11は十分に軽く、片手で持ってもそれほど負担には感じない。ウルトラブックと同等の性能を780グラムに詰め込み、気軽に持ち歩けるということには、長年モバイルノートパソコンを見てきた筆者にとってもかなりの驚きだった。

裏面にはプラスチック素材を使用しているが、深みのある色合いで手触りがよく、安っぽさはまったく感じない。滑りのよい素材だがちょっと重さが加わるだけで指先にしっとりとなじみ、吸着する独特の素材を使っている。指先がツルッと滑り、タブレットを落とすこともなさそうだ。

デザインのイメージはソニーのタブレットやスマートフォンの「エクスペリア」シリーズによく似ており、品があり、高級感もある。軽量で持ち歩きがしやすいタブレットは外出先で使う機会も多く、デザインの良さは満足感の高さにもつながる。

背面スタンドとキーボードでパソコンに早変わり

ノートパソコンとしてのポテンシャルも高いVAIO Tap 11の場合、付属のキーボードを使って長時間、書類を作成する機会も多いだろう。そうした状況に備えるため、本体側にスタンド機能を内蔵している。裏面中央に細い板があり、これを裏面方向に引っ張り出すことで本体を立てることが可能だ。

板の角度は決まった角度にのみ固定できるタイプではない。仕様には記載がないが、0度からだいたい80度くらいまで引き出すことが可能だった。VAIO Tap 11を設置する机の高さに合わせ、見やすい角度に調整でき、便利だ。

添付のキーボードはキーピッチが19ミリのフルサイズキーボードで、下部にタッチパッドを装備する。ワイヤレスで動作するタイプで、バッテリーも内蔵している。充電は本体のカバーとして取り付けたときに接触する専用端子を経由して行う。

キーボードには磁石が内蔵されている。そのため、本体とキーボードの充電端子を合わせるようにしてパタンと閉じると、最適な位置にぴたっと固定される。キーボードが本体の液晶ディスプレーのカバーになるわけだ。このあたりは専用設計の付属品ならではの利便性といえる。キーボード単体の重量は320グラムで、本体と一緒に持ち歩くと1.1キログラムになる。

前述したとおりキーピッチは19ミリなので広く、ゆったりとタイピングできる。かなり薄型だがタッチセンサー式のキーボードではなく、一般的なノートパソコンと同じパンタグラフ式のキーボードなので、打鍵感はノートパソコンと同じと考えてよい。

情報のチェックやビジネス書類の閲覧のみならVAIO Tap 11本体のみで、そして外出先で書類を作成するならキーボードを併用してノートパソコンに、という2通りの使い方を自由に選択できる。この点が、VAIO Tap 11の特徴であり、最大のメリットである。

Core iならではの高性能

基本性能も高い。CPUはウルトラブックや一般的なホームノートパソコンにも搭載されるCore iシリーズに属するモデルであり、応答性や操作性はそれらのノートパソコンとまったく同じレベルと考えてよい。タッチへの追従性も高く、画面のスクロールや表示画面の拡大縮小などもタッチ操作のままに行える。タッチ操作に最適化したウィンドウズ8ならではの使い心地だ。

タブレットとしてちょっと面白いのが、タッチペンを同梱していること。タッチのみだと細かい手書きメモ作業がやりにくい。タッチペンを使えば、メモ帳とペンを使う感覚でVAIO Tap 11の画面にメモを書き残せる。フルHD解像度でアイコンや操作ボタンが小さく、操作しにくいデスクトップ画面でも、タッチペンを使えばスムーズで正確な操作が可能だ。タッチ機能を活用するプリインストールアプリもいくつか用意している。

バッテリー駆動時間は、仕様上は約8時間だ。いつもと同様にバッテリーを100%まで充電して約5時間外出し、そのうち2時間半程度をウェブサイトの閲覧やビジネス書類の作成にあて、自宅に戻ってきたときのバッテリーの残りは60~65%だった。おおむね一日中持ち歩く用途でも、大きな不安は感じないだろう。

横方向で持ったときに左上にくるスリットは排気口だ。高性能なCore iシリーズを搭載するだけあって、Andoroid搭載のタブレットやiPadのようなファンレス構造にするのは難しかったようだ。

ただしファンの回転音はかなり静かで、ウェブサイトの閲覧やビジネス書類の作成程度ではほぼ無音状態だった。ベンチマークテストなどを行っている際にやや低く「ジー」という音が響くこともあるが、総合的にみると動作音は気になるレベルではない。

「パソコンとしても使える」最右翼

10型前後の液晶を搭載するウィンドウズ8/8.1搭載のタブレット型PCとしては突出した軽量で、モバイルユーザーにとって大きな魅力に映るのは間違いない。またCore iシリーズならではの性能の高さは、ホームユーザーにも訴求するはずだ。ストレージの容量を増やしたり、自宅でのみ接続する外付けの大容量HDDを接続したりすれば、メーンのパソコンとして使うことも可能なのだから。

ライバルらしいライバルがいないモデルだ。基本性能と重さが近いのはマイクロソフトのサーフェスプロ2か。本体のみの重さはサーフェスプロ2が907グラムであるのに対し、VAIO Tap 11は780グラムだ。ワイヤレスキーボードを同梱するのも見逃せない。サーフェスプロ2ではオプションとして購入する必要がある。

店頭販売モデルで17万円前後とタブレットとしてはちょっと高いのが難点の一つだが、直販サイト「ソニーストア」でもっとも安い構成にすれば10万9800円(11月16日現在)だ。CPUやメモリの容量を店頭販売モデル並みに強化しても13万2800円(同)なので、コスト優先でオフィス2013が手元にあるなら、BTOで購入した方がよいだろう。

価格以外はおおむね弱点のないVAIO Tap 11。パソコンの延長線上にある軽量タブレットが欲しい、というユーザーにとっては、これ以上ない選択肢といえる。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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