深夜の八ケ岳、本能目覚め初の100キロ完走

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2013/12/20 7:00
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夜間の走行はヘッドライトが必須。周囲のランナーはまばらで、他に一切明かりのない暗闇の中を淡々と走り続ける(長野県小海町)=パワースポーツ社提供

夜間の走行はヘッドライトが必須。周囲のランナーはまばらで、他に一切明かりのない暗闇の中を淡々と走り続ける(長野県小海町)=パワースポーツ社提供

前回奈良で36キロの山道を走った翌週、富士五湖の河口湖・西湖を走るマラソン大会に出た。雪化粧の富士山と紅葉が見事だったが、硬い舗装路を走っているうちに足の節々が痛みだし、「やっぱり山道の方がいいな」と感じた。

平らな舗装路とでこぼこの山道。淡々と同じペースで走り続けることが要求される前者より、かかる時間は長いが、上り下りいろんな要素がある後者の方が気が楽だ。「焦らずゆっくり進んで気力さえ持てば、何とか100キロ行けるかもしれない」――今年9月に開かれた「第2回八ケ岳スーパートレイル」への挑戦を決めた時も、そんなことを考えていた。

4時間で標高差1000メートル上りきる

昨年の第1回大会は11月開催。夜の山は氷点下まで気温が下がり、水が凍って飲めなくなるという環境だったようだ。100キロ、100マイル(160キロ)部門の完走率はわずか28%前後。その反省から開催時期が2カ月前倒しになったことも、未知の領域に挑む自分の決断を後押しした。

朝8時、清里サンメドウズスキー場を出発し、100キロの長い旅が始まった。スタート時は皆元気だったが…(山梨県北杜市)

朝8時、清里サンメドウズスキー場を出発し、100キロの長い旅が始まった。スタート時は皆元気だったが…(山梨県北杜市)

9月7日午後8時14分、コースの最高地点から少し下り、標高2093メートルの大河原峠のエイドステーションに着いた。冷たい雨に打たれながら、街灯のない暗闇の中を突き進んできた。煌々(こうこう)と照るテントの明かりを見つけてホッとする。気温は10度を切ったぐらいだろうか。ついこないだまで真夏日が続いていたはずだが、山中で吐く息は白く、体から湯気が立ち上る。

朝8時に清里のスキー場をスタートしてから半日、友人と2人並んで、上りは歩き、下りは走ってきた。時にのどかな牧場の中を進み、時にスズメバチの大群を避けるために民家の庭を通らせてもらった。この大河原峠までの上りは一番の難路で、前のエイドから4時間かけて標高差1000メートルを上りきった。ザックの中の水は空。秘蔵のコーラも飲み干した。

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