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「東京五輪」待望は66%

第143回 編集委員 大石格

2020年夏季五輪の開催地はどこになるのか。「東京五輪」を待望する回答は66.2%でした。五輪開催となればそれなりにインフラ整備をしなくてはなりませんし、観光客も来るでしょう。景気への関心の高い電子版読者はこぞって賛成かと想像していたのですが、他の世論調査に比べてむしろ低めの結果でした。

「東京五輪」への最大の障壁とされるのが、日本国内での熱気不足です。国際オリンピック委員会(IOC)は昨年5月の1次選考の際、独自に実施した世論調査結果を発表しました。各都市における招致賛成の比率は東京が最低でした。

          賛成 反対

マドリード     78% 16%

イスタンブール  73%  3%

東京        47% 23%

東京都や経済団体などでつくる五輪招致本部のホームページには2008年に共同通信が実施した世論調査結果が掲載されています。招致賛成は70.1%でした。招致本部にはこれを根拠に「IOC調査はおかしい」という声もあるようです。

さらに12年のロンドン五輪後に東京・銀座で実施したメダリストのパレードには50万人もの見物人が押し寄せました。今年2月の読売新聞の調査では83%、毎日新聞の調査では72%が招致に賛成でした。今回のクイックVoteは招致本部には「不本意」な結果でしょう。

では、招致賛成の読者のコメントです。想定通りの内容でした。

○日本を盛り上げるため(40歳、男性)

○日本が復活する原動力になる(29歳、女性)

○経済効果がある(32歳、男性)

○東京の再開発のため(61歳、男性)

○お祭りはなんであれ楽しい(78歳、男性)

回答者の内訳
回答総数4087
男性91%
女性9%
20代5%
30代12%
40代21%
50代26%
60代25%
70代9%
80代以上1%

注目は反対の読者のコメントでしょう。大まかに分類すると五通りくらいでした。

《震災と絡めるのがおかしい》

○開催資金を震災復興につかってほしい(50歳、男性)

○震災復興が目的ならば東北3県で開催すべきだ(45歳、男性)

《税金の無駄遣い》

○五輪終了後に施設を何につかうのか(42歳、男性)

○東京への一極集中を加速させるだけ(64歳、男性)

《経済効果は小さい》

○英経済はたいしてよくならなかった(51歳、女性)

○交通機関が混雑してマイナス(51歳、女性)

《五輪は新興国で開くべきだ》

○途上国に譲るべきだ(53歳、男性)

○世界のためにはトルコで開くべきだ(51歳、男性)

《担い手が問題》

○石原慎太郎前知事の「記念碑」(45歳、男性)

○猪瀬直樹知事はほかにすることがないのか(59歳、男性)

招致を成功させるには招致本部がこうした人たちを納得させ、挙国一致的に盛り上がっている姿をIOC委員にみせることが必要ではないでしょうか。

招致の決め手は何か。読者が重視するのは「IOC委員との人脈づくり」「開催の意義付け」「国民の熱気」の3つでした。

日本人は言葉の壁もあり、海外での人付き合いが下手とされます。それでも先日の富士山の世界遺産の登録では除外対象だった三保の松原を含めることに成功したのは近藤誠一前文化庁長官の人脈が生きたなどといわれています。猪瀬知事や日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長らの日ごろの努力が問われるということでしょう。

「人脈」と答えた読者からは現実的なコメントが多数ありました。

○IOCは利権組織。まともな招致活動では勝てない(51歳、女性)

○日本に投票してくれるためのインセンティブが必要だ(62歳、男性)

最後にどこが優勢とみているか。東京がほぼ半数でしたが、コメントは「消去法で東京」という内容が多く、読者も確信はないようです。

○競争相手が弱い(76歳、男性)

○トルコは政情不安、スペインは経済不安(46歳、女性)

安倍内閣の支持率は69.9%でした。前回より5ポイントの下落ですから、これは誤差の範囲ではないでしょう。6月中旬に70%を割り込んだ際はすぐに回復しました。次回に注目です。

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