家庭用ゲーム彩る「黒子」 特殊効果で圧巻の映像
ジャーナリスト 新 清士

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2014/2/18 7:00
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 家庭用ゲームはスマートフォン(スマホ)向けゲームの普及で苦境にある。だが、テレビの大画面で楽しむ臨場感あふれる映像は大きな魅力だ。割れて飛び散るガラスや水しぶきをあげる海など、特殊効果を駆使した映像にはプレーヤーをゲームに引き込む力がある。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション(PS)4」など高性能な新世代機では従来にない迫力映像が登場しそうだ。特殊効果映像の作製ツールを手掛けるマッチロック(東京・渋谷)への取材を通じ、圧倒的な映像体験は家庭用ゲーム巻き返しの起爆剤になるかを探った。

■他のゲームと差別化のポイントに

ビシャモンで作製中の映像。粒子を球状に変化させることなく表示する初期の状態。この粒子に色を付けたり、動きを制御したりして複雑な映像を作る

ビシャモンで作製中の映像。粒子を球状に変化させることなく表示する初期の状態。この粒子に色を付けたり、動きを制御したりして複雑な映像を作る

マッチロックは特殊効果映像を作製する汎用ツール「ビシャモン」の開発に特化した企業で、2008年に創業した。数多くのゲーム各社がこのツールを使っており、ゲーム内に多数の光の粒子を登場させて爆発シーンや広がる炎、光が輝く様子、空を走る稲妻など、美しくてリアルな映像を作製している。

ビシャモンで作製した特殊効果映像は、ゲーム開発過程で自社製ゲームを動作させる基本環境である「ゲームエンジン」と組み合わせ、ゲームに盛り込む。アクションゲームの「ガンダムブレイカー」(バンダイナムコゲームス、PS3・PSヴィータ用)、「ポケモン不思議のダンジョン~マグナゲートと∞迷宮~」(任天堂、ニンテンドー3DS用)などの人気ゲームでも使われるなど実績を重ねている。

最先端技術を使った特殊効果映像をゲーム中にちりばめることで作品の魅力が増し、他のゲームと差別化しやすくなる。多くのゲーム会社が、特殊効果映像を開発する専門プログラマーを社内に配置している。その方が自社のゲームに特化した映像技術を盛り込みやすいためだ。

作り込んだ特殊効果映像の例。複数の粒子の動きを組み合わせることで複雑な粒状の爆発を表現している(作製はアグニ・フレア社)

作り込んだ特殊効果映像の例。複数の粒子の動きを組み合わせることで複雑な粒状の爆発を表現している(作製はアグニ・フレア社)

例えば、大手ゲーム会社のスクウェア・エニックスが開発したロールプレイングゲーム(RPG)「ファイナルファンタジー14 新生エオルゼア」のように特殊効果映像がふんだんに出てくるゲームの場合、特殊効果映像の技術を開発するプログラマーと、その技術を利用して映像を作製するグラフィッカーの役割がともに重要になる。

プログラマーはグラフィッカー向けの自社専用ツールを作製。このツールを使ってグラフィッカーがゲームに組み込む特殊効果映像を作り、ゲームを豪華に演出する。ただ、ゲーム各社が特殊効果映像の技術を独自開発する場合、どうしても限界がある。特殊映像の専門技術者は直接ゲーム会社に利益をもたらすわけではなく、専任のプログラマーを何人も配置することはできないからだ。

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