パワー半導体をさらにパワフルに 三菱電機・久間専務に聞く
編集委員 滝順一

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2010/9/15 7:00
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二酸化炭素(CO2)の排出を抑えた低炭素社会づくりで注目を集めるのがパワー半導体と呼ばれる電子部品だ。家庭用エアコンから高速鉄道まで、電気の効率的な使用に欠かせないほか、太陽電池など再生可能エネルギーの導入を可能にする重要な裏方でもある。パワー半導体で世界トップ級のシェアと技術力をもつ三菱電機の久間和生・専務執行役(半導体・デバイス事業本部長)に同社の技術戦略などを聞いた。

――まず、パワー半導体とはどんな役割を果たす部品なのか、教えてください。

「パワー半導体は、低炭素社会の実現につながる省エネルギーのキーデバイスだ。電気を直流から交流に、あるいは交流から直流に変えたり、電圧を上げたり下げたり、電力を効率よくコントロールする」

「例えば、ハイブリッド車電気自動車の電力制御、太陽光発電を電力送電網に接続するのに不可欠だ。消費者にもっともなじみが深いのは、エアコンや冷蔵庫などの働き具合を制御するインバーターだ。これもパワー半導体の応用例だ」

久間和生・三菱電機専務執行役(半導体・デバイス事業本部長)

久間和生・三菱電機専務執行役(半導体・デバイス事業本部長)

「パワー半導体には大別して2種類ある。IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、200ボルトくらいの通常電圧で使う大容量のデバイスで、家電製品やエコカー、産業用機械に広く使われている。もう1つは、パソコン電源など小電力用に使われるMOSFET(モスフェット、電界効果トランジスタの一種)と呼ばれるデバイスだ」

「三菱電機はIGBTモジュール(複合部品)で世界シェア約35%をもつトップ企業だ。パワー半導体全体でも世界5位に入る。ちなみに、当事業本部は光通信用レーザーも世界シェアトップだ。売上高約2000億円と三菱電機の中では比較的小さな事業部門だが、グローバル・ナンバーワンが2つある」

――パワー半導体市場の今後の成長をどうみていますか。

「エコカーや太陽電池の普及、スマートグリッド(次世代送電網)の実現などでパワー半導体の世界市場は拡大が見込める。2009年度はリーマン・ショックをきっかけにした世界的な景気後退で縮小したが、10年度は拡大に転じ、約130億ドル(約1兆円)が見込まれる。3年後には約150億ドル(約1兆2000億円)になるといわれる」

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