東京未来地図 目玉開発続々、「五輪特需」で湾岸ブーム
五輪で変わる東京(1)

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2014/2/20 7:00
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東京都中央卸売市場新市場整備部の北島隆管理課長は「築地のブランドを引き継ぐ施設にするため、民間のアイデアを活用したい」と話す。事業者は2014年2月に決定する。

湾岸部は、カジノの誘致先としても有力だ。自民党などは2013年12月、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)施設の整備を政府に促す法案を衆議院に提出。2014年の通常国会での成立を目指している。

東京都港湾局臨海開発部の担当者は「エリアは限定していないが、開発余地があるという点で臨海部が最有力だ」と話す。

候補地の1つが台場地区だ。政府が検討を進める国家戦略特区に対し、フジテレビジョンや三井不動産、鹿島、日本財団のグループは、湾岸部への国際観光拠点整備を提案。「広大な開発可能エリア」として、青海(あおみ)1丁目(地図AのA-4)の敷地を挙げた。青海は、猪瀬前都知事が2013年9月に「大型クルーズ客船に対応可能な客船埠頭を臨海副都心地域に整備する」と明らかにした地域でもある。

■課題は交通インフラ

こうした大規模案件が進むなか、湾岸部の課題となりそうなのは交通インフラだ。環状2号線(地図AのB-2ほか)の整備で自動車による都心アクセスは向上するが、鉄道による輸送に難があると指摘する声は多い。

不動産経済研究所の福田秋生取締役企画調査部長は、「選手村周辺は駅から遠く、利便性が高くない。都心から近いという付加価値はあるが、鉄道網が改善しなければ住宅地として人気エリアとなるかは未知数だ」と指摘する。

五輪開催で新たな交通インフラ整備の機運が高まっているのは確かだ。江東区は、東京メトロ有楽町線を延伸し豊洲駅と半蔵門線の住吉駅とを結ぶ計画を検討。中央区は、環状2号線を利用して晴海と銀座とを専用レーンで結ぶバス高速輸送システム(BRT)の構想を持つ。将来的には次世代路面電車(LRT)も視野に入れている。ゆりかもめにも豊洲から勝どきまでの延伸構想がある。

こうした構想が実現すれば、巨大住宅地としての開発が進む晴海や豊洲の利便性は大きく向上する。しかし、これらが実現してもなお、東京五輪開催時の観光客輸送を不安視する意見もあり、今後も交通インフラをめぐる議論が続きそうだ。

(日経アーキテクチュア 島津翔)

[日経BPムック『東京大改造マップ2020』の記事を基に再構成]

[参考]日経BP社は2014年2月3日、「東京大改造マップ2020」を発行した。東京五輪決定で活気付く都市改造の最新動向を、日経アーキテクチュア、日経コンストラクション、日経不動産マーケット情報、日経ビジネスの各雑誌の記者が取材。建設・建築にとどまらない"東京改造"の影響を、詳細な地図を交えて分かりやすく解説。東京で暮らす都市生活者、東京で働くビジネスパーソンはもちろん、「ビル」や「鉄道」、「地図」や「街歩き」に興味を持つ人も楽しめる。

東京大改造マップ2020 (日経BPムック)

編集:日経アーキテクチュア
出版:日経BP社
価格:1,050円(税込み)

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