画質・撮影性能を大幅に高めたデジタル一眼レフ キヤノン「EOS 5D MarkIII」

2012/6/19 7:01
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キヤノンの「EOS 5D MarkIII」

キヤノンの「EOS 5D MarkIII」

キヤノンは画質・撮影性能を向上させたハイアマチュア向けのデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D MarkIII」を3月22日に発売した。35mmフルサイズの撮像素子(イメージセンサー)は従来機種の「MarkII」に比べて光を効率的に取り込む構造に変え、画像処理エンジンの処理能力は約17倍とした。

有効画素数は約2230万画素と従来の約2110万画素を小幅ながら上回り、常用ISO感度も最高ISO/25600(従来は同6400)と大幅に拡大。これにより動画も含めて、暗いシーンでも高感度で、ノイズを抑えた美しい撮影ができる。さらに1秒当たり最高約6コマ(従来は約3.9コマ)の高速連写も可能とした。

オートフォーカス(AF)における画面上の総測距点数も従来の15点から61点へと大きく増やし、様々な構図への対応や動く被写体の捕捉率も向上した。さらに、油彩調やグラフィック調など5種類の作風を選択できる機能、時間の経過に沿って写真を重ね合わせる多重露出機能、画像再生時に2つの画像を同時に表示できる機能などを新たに加えた。

実売価格は33万円前後(ボディーのみ)、月産6万台。

【日経産業地域研究所研究員の視点】

ニコンの「ニコン D800」をベンチマーク商品として採点した(ベンチマーク商品の概要は下記)

ニコンの「ニコン D800」をベンチマーク商品として採点した(ベンチマーク商品の概要は下記)

MarkIIIの画素数がMarkIIと大きく変わらなかったことに、物足りなさを感じる写真愛好家もいるようだ。

同時に発売されたニコンイメージングジャパンのD800は、D700から画素数を約3倍に拡大した。極めて鮮明な画像を実現するニコンの画素数拡大は、消費者に訴えるインパクトが強い。加えて、5万円前後の価格差も販売戦略の点ではD800に有利に働きそうだ。

ただ、キヤノンが画素数競争にはあえて背を向けて、総合的な技術力をもって画質の向上を目指したという姿勢はうかがえる。プロ仕様の最高機種に匹敵する新たなCMOSセンサーの開発により、高感度にも対応。ISO感度を拡張するとともに、画像処理エンジンの処理能力も飛躍的に向上した。

もともと動体撮影や動画に強みを発揮するキヤノンだが、新開発のCMOSセンサーや画像処理エンジンはこの能力も向上させた。MarkIIとの比較で、愛好者からは「悪条件下の撮影にも十分対応できる」「すべての点でグレードアップした」といった声が聞こえてくる。あとは、画質の向上を市場においてどう具体的に訴えるかにかかっている。

価格実売33万円前後(ボディーのみ)
販売目標月産6万台
発売3月22日
撮像素子約36×24mmサイズCMOSセンサー
有効画素数約2230万画素
画像処理エンジンDIGIC5+
常用ISO感度100~25600
連写速度最高約6コマ/秒
液晶3.2型(約104万ドット)
サイズ、重量約152×116×76mm、約950g(バッテリーなどを含む)
記録媒体CF/SD/SDHC/SDXCメモリーカード

【ベンチマーク商品】

ニコンイメージングジャパンのデジタル一眼レフカメラ「ニコン D800」。撮像素子は約36×24mmサイズCMOSセンサー。有効画素数3630万画素。画像処理エンジンはEXPEED3。常用ISO感度100~6400。連写速度は最高約4~6コマ/秒。3.2型液晶。サイズ、重量は約146×123×82mm、約1000g(バッテリーなどを含む)。記録媒体はCF/SD/SDHC/SDXCメモリーカード。3月22日発売。実売28万円前後(ボディーのみ)。月産当初約2万4000台。同じ画素数ながら解像感をさらに高めた「D800E」も4月12日に発売。

「新製品ウオッチャー」では、日経産業地域研究所が選んだ注目の新製品を、同業他社や販売店の担当者、評論家など3~5人の専門家が評価。新規性など12項目で競合製品(ベンチマーク商品)と比べた優劣を「非常に優れる」(6点)から「同等」(3点)、「非常に劣る」(0点)までの7段階で各専門家が採点し、その平均を算出しています。

■より詳しく知りたい方は「日経消費ウオッチャー」オンライン・データベース(有料)で

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